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フリマアプリでの象牙の国内取引が禁止に


現在、ワシントン条約で国内の販売が終了する動きを見せている象牙製品。印鑑も例外ではありません。

象牙といえば印鑑の素材として古くから使われてきた人気の高い印材です。

業界最大手のハンコヤドットコムも象牙の販売を終了するなど、2015年から2016年にかけて当サイトで紹介していた象牙印鑑の販売業者は17→9に減少。印鑑業界全体で象牙印鑑の販売は終了の流れにあります。

今回はそんな象牙製品をあの大手フリーマーケットアプリ会社も出品禁止にしたというニュースです。

この記事を書いた人
樽見 章寛
樽見 章寛(たるみ あきひろ) 実印.net 編集部
印鑑は、人生に何度も購入することはありません。言うなれば、一生に一度の買い物と行っても過言ではないほど重要な買い物。そのため”長い目”で見た時どれを選んだらよいのか、この視点を大切に、優良な情報をみなさまにお届けいたします。年間2.5万本の印鑑作成に貢献。


象牙の取引が禁止された背景

象牙の取引が禁止された背景

産経ニュースで2017年11月11日に掲載されていた内容を補足してご紹介します。

ユーザー間の物品の売買を可能にし、すでに多くのユーザーからの指示を集めているフリーマーケットアプリ運営会社「メルカリ」が象牙製品の出品を禁止にしたようです。

なぜ、今回メルカリがこのような措置を取ったのか…。
これは、密猟によってアフリカゾウが絶滅の危機に瀕していることが影響しています。

冒頭にも述べたように、ワシントン条約によって象牙の取引は国際的に原則禁止となりました。

日本では外交的な象牙取引は禁止し、国内取引に関しては条約締結前に日本に輸入されたものに限定しています。

もちろん適切に象牙の取引を行うために違法な国内取引を防止するための管理制度などは制定されています。

例えば、日本の印章店、印鑑ショップは環境省・経済産業省から特定国際種事業者として認可されていないと象牙素材で印鑑を作成、販売することができません

しかし、このようにしっかりと管理、統制していても不正は起きています。
国際的に、国内外問わず象牙の取引が禁止されているのにはこのような背景があるのです。


なぜ、出品を禁止する必要があったのか

なぜ象牙製品の出品が禁止になったのか

日本では、ワシントン条約締結国会議での決定に基づいて、自然死した個体などから採集した象牙が輸入され、それぞれを正式に輸入した象牙として登録しています。

また、このとき輸入された象牙は、生息が安定しており、かつ絶滅の可能性が少ないとされるアフリカゾウ(南部アフリカ諸国)のものです。

現在日本国内に残る象牙はこのとき輸入したもの。
つまり、現在日本で国内取引可能となっているのは国際的な決定に基づいて輸入された象牙というわけです。

じゃあ、今回メルカリが象牙の出品を禁止したのってなんで?と思われた方もいることでしょう。

その理由は、簡単に言うと、象牙を販売できる場所がある限り、アフリカゾウの密猟がなくならないから

いくら正式に輸入した象牙を国内だけで取引していたとしても、抜け道を探す人はいます。

例えば、古代像マンモスの牙も象牙に似ているため、マンモスと偽って象牙を輸出入するという行為も発生してしまいます。

つまり、象牙の市場が存在する限り、アフリカゾウの密猟が起こる可能性も存続し続けるということです。

この問題を解決するためには、象牙を取引する場所そのものをなくしてしまうこと

いくら密猟した象牙を持っていても販売する場所がなければ、価値がありません。

実際、2016年の条約締結国会議にて、象牙の密猟がさらに悪化したことを受け、これまで認められていた国内市場の閉鎖も各国に求める決議が採択されました。

国際的に象牙市場の閉鎖が求められているので、グローバルに事業展開するメルカリは象牙の出品を禁止したのです。


出品禁止となる象牙には印鑑も含まれる

出品禁止となった象牙製品には象牙印鑑も含まれる

今回メルカリが出品を禁止したのは、象牙の全形を保ったものだけではなく、印鑑などに加工された象牙も一律で出品禁止とし、出品された場合は即削除の対象となるようです。

印鑑専門店であれば、ある程度象牙素材の出処を把握することはできるかもしれませんが、フリーマーケットアプリだと本当に国内で登録されている象牙かどうか判断するのも難しいことでしょう。

実際に、印鑑通販ショップ最大手のハンコヤドットコムを始め、多くの印鑑ショップが象牙印鑑の販売を終了しています。

国内に現存している象牙は販売してもいいのですが、国際的な動向を受けて象牙の販売を終了しているのでしょう。


これから象牙の印鑑はどうなるのか

今後の象牙印鑑の動向

日本政府が見解を示しているように、日本国内で取引されている象牙は密猟されたものではありませんので、ワシントン条約締結国会議の決議の対象外であるので、取引自体は容認されています。

しかし、密猟に間接的に関わっている可能性があるというのも否定はできません。

そこで、今後、象牙印鑑の販売は一気になくなっていくでしょう。

象牙の印鑑は捺印性も高く、古くから印鑑として非常に重宝されていました

もしこれから象牙で印鑑を作ろうとしていた方は、この機会に象牙に変わる素材を選択して印鑑を作成してみるのも良いでしょう。どうしても象牙の印鑑が欲しいという方は、国から正式な認可を受けた信頼できる印鑑ショップを利用するようにしてください

素材を活かし、大切に使ってきた日本人の心を忘れず、今生きている命を尊び共存していけるといいですね。


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