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頭を抱える男性

「既存の紙の契約書電子化したい」とお考えではありませんか。 この記事では、既存の契約書を電子化する方法や、押さえておくべき法律の要件などを解説しています。

また、記事内では既存の契約書を電子化するのにおすすめのサービスについても触れています。 最後までお読みいただければ、企業のペーパーレス化がさらに進み、ビジネスが今以上に加速することでしょう。ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
樽見 章寛
樽見 章寛(たるみ あきひろ) 実印.net 編集部
DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている昨今、電子契約の導入を検討されている企業も多いのではないでしょうか?電子契約サービス29社を徹底比較した筆者が、みなさまの円滑な電子契約導入をサポートいたします。顧問弁護士による記事のリーガルチェックも経験済み。




契約書を電子化するなら法律の要件に注意

法律

「既存の契約書を電子化したい」とお考えなら、政府が定める法律の要件に気を付ける必要があります。 既存の契約書を電子化する上で特に注意しておきたいのは、以下2つの法律です。

  • e-文書法
  • 電子帳簿保存法

契約書を電子化する上で、それぞれどのようなポイントに気を付けるべきか解説していきます。


e-文書法

e-文書法とは、一言で説明すれば保管が義務付けられている様々な書類を電子化するための法律です。

既存の契約書を電子化する際にチェックしておくべきなのはもちろん、領収書や請求書、取締役会議の議事録や医療分野のカルテなど、様々な書類の電子化に関わります。

e-文書法で契約書を電子化する要件を簡単にまとめると、以下4つのポイントに注意しましょう。

要件 概要
見読性 パソコンなどのディスプレイで鮮明に読み取れること
完全性 電子署名やタイムスタンプを用いて改ざんを防ぐこと
機密性 パスワードの設定や操作ログの収集など不正な閲覧・アクセスを防ぐこと
検索性 特定の文書を検索して見つけられるようにすること

そのほか、e-文書法に関する情報は以下の記事でも詳しく解説しています。契約書を電子化したい方はぜひそちらもご覧ください。

» e-文書法の詳細と要件をチェック!対象文書や満たす方法も解説


電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は、国税関連書類の電子化に関する法律です。 e-文書法が広範囲な文書の電子化を対象としているのに対して、電子帳簿保存法は税務や経理に関係する書類の電子化のみを対象としています。

ビジネス関連の契約書は税法で数年〜十数年の保管が義務付けられており、紙と印鑑の捺印で締結した既存の契約書は紙のままで保管するのが基本です。 一方、電子帳簿保存法の要件を満たせば既存の契約書も電子化して保管することができます。

ただし電子帳簿保存法はe-文書法よりも要件が厳しく、既存の契約書を電子化するためには税務署への事前申請が必要となります。 申請なしに既存の契約書を電子化することはできないため、注意しましょう。



既存の文書をデジタル化するメリット・デメリット

メリットとデメリットの比較

続いて、既存の契約書を電子化するメリットとデメリットを紹介します。


メリット

既存の契約書を電子化する主なメリットは、以下の通りです。

  • 検索機能で探しやすい
  • パソコンで管理できて更新忘れのリスクを減らせる
  • 業務効率化になり無駄な仕事を減らせる

上記のメリットを確認すると、いずれも業務効率化に役立つものばかり。 膨大な紙の契約書を管理するのは大変ですが、電子上で管理できれば業務効率化ができて社員の労働時間削減にもつながるでしょう。

また、今後新たに締結する契約を電子契約に移行する場合も、既存契約書を電子上で一元管理できる点は大きなメリットです。


デメリット

続いて、既存の契約書を電子化するデメリットを確認しましょう。

  • 「証拠」という意味では原本は捨てない方が好ましい
  • 原本を捨てない場合、保管スペースは減らない
  • 電子化作業自体に時間と手間がかかる
  • 多少のコストがかかる

既存の契約書を電子化するデメリットは、民法における「証拠」という意味では、押印されている紙の原本を捨てない方が好ましい点などがあります。

税法では電子帳簿保存法を満たしていれば紙の契約書は破棄しても問題ないですが、万が一に備えて残しておく方が無難です。

また、電子帳簿保存法の要件を満たすにはタイムスタンプなどを利用する必要があり、多少の費用がかかる点もデメリットです。

そのほかの問題点としては、契約書を一つひとつスキャンする作業により時間と手間がかかる点です。 契約書の電子化(スキャンから保管まで)を代行してくれるサービスを利用すれば時間と手間は省けますが、こちらも多少のコストがかかります。



契約書を電子化する方法

スキャンする男性

こちらでは、既存の契約書を電子化する具体的な方法を紹介します。 本格的に既存契約書の電子化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。


電子契約サービスのインポート機能を利用する

既存の契約書を電子化するなら、電子契約サービスのインポート機能を利用するのがいいでしょう。 電子契約サービスを導入することで今後の新たな契約は電子契約を選択でき、さらに電子帳簿保存法の要件を満たして既存の契約書を電子化できます。

特におすすめなのは、「電子印鑑GMOサイン」と呼ばれる電子契約サービスです。 既存の契約書を電子化するには「スキャン文書管理」や「PDF化代行サービス」の機能が役立ちます。

スキャン文書管理は自社で既存契約書の電子化を行う方法です。PDF化代行サービスはGMOサイン側でスキャンによる電子化を代行してくれるサービスです。 さらにGMOサインには、要望があれば電子化を終えた紙の契約書を保管代行してくれるサービスも用意されています。


認定タイムスタンプ機能付きのクラウドストレージを利用する

既存の契約書を電子化する方法として、認定タイムスタンプ機能が付いたクラウドストレージを利用する方法もあります。 認定タイムスタンプとは、時刻認証業務認定事業者(TSA)による認証を経て電子データの正当性を担保する認証技術です。

クラウドストレージを活用している企業も増えてきていますが、ほとんどのクラウドストレージにはタイムスタンプ機能はありません。

仮に用意されていたとしても、サービス独自のタイムスタンプで証拠力としては不十分なケースがあるため注意が必要です。

認定タイムスタンプ機能のあるクラウドストレージの例としては、富士ゼロックスの「ArcSuite Engineering」がおすすめです。 富士ゼロックスなのでサービスの信頼感があり、ニーズに合わせた様々なプランが用意されています。

ただしArcSuite Engineeringは数十万円〜数百万円のコストがかかるため、中小企業には不向きかもしれません。 先述の電子契約システムの方がリーズナブルなので、あまりコストをかけたくない企業はそちらを検討するといいでしょう。


自社専用のITシステムを開発する

そのほか、既存の契約書を電子化する方法として自社専用のITシステムを開発する選択肢もあります。 ITに詳しい企業なら自社で開発しても良いですし、そうでなければ外部の専門業者へ委託することになります。

既存の契約書を電子化するのであれば、セイコーソリューションズ株式会社の「eviDaemon」がおすすめです。 eviDaemonは、指定のフォルダへデータを入れるだけで自動的に電子署名とタイムスタンプを付与してくれるサービスです。

セイコーソリューションズは時刻認証業務認定事業者(TSA)として認可されている企業であり、サービスの品質面はお墨付き。

ただしITシステムの開発まで委託するにはコストがかかるため、リーズナブルに済ませたいなら電子契約サービスを利用する方がいいでしょう。


【NG】スキャナーでPDF化する(タイムスタンプなし)

「自社のスキャナーで一つひとつPDF化すれば無料なのでは?」と考える方がいるかもしれません。 しかし、この流れだとタイムスタンプを付与できないため、電子帳簿保存法の要件を満たすことができません。

PDF書類は改ざんが容易であり、既存の契約書をただスキャンするだけでは証拠力としては不十分なのです。 きちんと法律の要件を満たして既存の契約書を電子化するためには、これまでに紹介した方法を利用しましょう。



電子契約サービスの導入が最もおすすめ

握手するビジネスマン

既存の契約書を電子化する方法をいくつか紹介しましたが、最もおすすめなのは電子契約サービスを利用する方法です。 自社でのITシステム開発も必要なく、低コストで今すぐ気軽に始められるのは大きなメリットです。

既存の契約書を電子化して一元管理できるのはもちろん、今後の契約書も電子契約で締結できます。 電子契約は印紙税が非課税で収入印紙が不要なので、年間でかなりのコスト削減効果が期待できます。

電子契約サービスはクラウド上で契約書を保管・管理できて、さらに契約締結に上司の承認を設定したり、閲覧・管理などの権限も設定できます。 そのほか契約更新時期の通知機能も用意されており、契約にまつわる様々な業務を効率化できます。



まとめ:法律の要件を満たしてデジタル化しよう

この記事では、既存の紙の契約書を電子化する方法や、法律の要件などについて解説しました。 記事の要点をごく簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 既存の契約書を電子化するならe-文書法と電子帳簿保存法に注意
  • 万一に備えて電子化しても紙の契約書は破棄しない方が好ましい
  • 最も手軽で低コストな電子化方法は電子契約サービスを利用すること

既存の契約書を電子化するには、認定タイムスタンプ機能のついたクラウドサービスを利用したり、自社のITシステムを開発したりといった方法があります。

しかしどちらの契約書を電子化する方法も膨大なコストや手間がかかるため、中小企業や個人事業主には不向きかもしれません。

だからこそ、低価格で手間もかからない電子契約サービスを利用するのが1番おすすめ。 電子契約サービスは電子印鑑GMOサインが有名であり、他にも多数のサービスが存在しています。

次の記事では様々な電子契約サービスをニーズ別にランキング形式で紹介しています。 電子契約サービスの詳細をもっと詳しく知りたい方は、ぜひそちらもご覧ください。

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