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電子契約印紙税がいらないって聞いたけど、本当に?根拠は?」とお悩みではありませんか。 電子契約で印紙税が必要ないのは、国税庁や税務署が公式に認める内容であり、内閣総理大臣も国会の答弁で明言している事実です。

この記事では、そういった電子契約で印紙税が必要ない根拠について、詳しい情報をまとめています。

記事内では国税庁や国会答弁の原文へのリンクも記載しているので、電子契約で印紙税が不要な根拠とされる文書の原文をチェックしたい方もぜひお読みください。

この記事を書いた人
樽見 章寛
樽見 章寛(たるみ あきひろ) 実印.net 編集部
DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている昨今、電子契約の導入を検討されている企業も多いのではないでしょうか?電子契約サービス29社を徹底比較した筆者が、みなさまの円滑な電子契約導入をサポートいたします。顧問弁護士による記事のリーガルチェックも経験済み。




電子契約は印紙税が不要!その根拠とは?

法律を確認する人

電子契約の導入を検討している方なら、「電子契約なら印紙税が不要!節税になり印刷コストも削減できます」といった宣伝文句を1度は目にした経験がおありなのではないでしょうか。

たしかに電子上の契約書が原本になるなら、なんとなく印紙税が不要なのは理解できます。 しかし、後から税務署に指摘をされても困りますから、明確に印紙税不要の根拠や理由を理解しておきたいですよね。

実は、電子契約に関連する法律や法令の条文には、「電子署名のある契約なら印紙税は不要である」といった明記がなされているわけではありません。 しかし、電子契約で印紙税の納税義務がないことには、きちんとした根拠に基づいて法解釈がなされているのです。



印紙税が不要とされる4つの根拠

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こちらの項目では、なぜ電子契約で印紙税が必要ないのか、その4つの根拠を見ていきましょう。


根拠①:国税庁が公式に認めているから

電子契約で印紙税が必要ない根拠として、国税庁が公式にそれを認めている点が挙げられます。 国税庁公式ホームページの文書回答事例において、「取引の請負契約を電子メールで締結した場合の印紙税の取扱」に関する国税庁の見解が記載されています。

国税庁の見解を要約すると、「印紙税は課税文書が“交付”された時点で発生するものであり、電子メールでの文書送信は“交付”には当たらないため、印紙税が不要である」という内容になっています。

電子メールでの契約は電子契約のこと。つまり電子契約は課税文書の“交付”には該当しないため、印紙税の非課税対象になるということが理解できます。 国税庁の該当ページを確認したい方は、以下のリンク先でご覧いただけます。

請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について(国税庁公式サイト)


根拠②:国会の答弁で総理大臣が明言しているから

2005年の国会答弁において、当時の総理大臣である小泉純一郎氏が「文書課税である印紙税については、電磁的記録により作成された文書は課税対象ではない」(※原文の要約)と明言しています。

「電磁的記録により作成された文書」とは電子契約のことを指しており、これも電子契約に印紙税が必要ないことを裏付ける根拠の1つ。

ただし答弁の後半では「何らかの対応を要するかどうかは必要に応じて検討していきたい」とも回答されており、電子契約の印紙税について一部のみぼやかされた表現となっています。

100%の明言ではないのが気になるところですが、現時点の解釈では電子契約の印紙税は非課税と考えてよさそうです。

当該答弁の原文を確認したい方は、次のリンク先でご確認ください。該当部分は「五について」の箇所です。

第162回国会(常会) 答弁書(参議院公式サイト)


根拠③:税務署も「不要だ」と回答しているから

電子契約において印紙税が必要ない最大の根拠は、電子契約の印紙税について税務署へ問い合わせると「不要だ」という回答が得られるからです。

電子契約の印紙税について税務調査などで指摘されては大変ですから、電子契約を導入する企業担当者の中には所轄の税務署へ足を運び、印紙税の必要性を直接確認する方も多いようです。

もし電子契約を検討中で「印紙税が必要ない」という明確な回答が必要な方は、所轄の税務署へ足を運んでみて、実際に尋ねてみてはいかがでしょうか。


根拠④:官公庁に適法性が公認されている電子契約サービスもあるから

電子契約で印紙税が不要である根拠として、電子契約サービスの中には官公庁が正式に適法性を認めているものもあるからです。 実際に官公庁でサービスの適法性が認められたのは、「クラウドサイン」と呼ばれる業界No.1のシェアを誇る電子契約サービスです。

クラウドサインは、「グレーゾーン解消制度」と呼ばれるサービスの適法性を官公庁が判断する制度を利用しました。 その結果、国土交通省及び経済産業省がクラウドサインの電子契約の適法性を公式に認めた結果となりました。

クラウドサインでは「印紙税が不要になる」といった宣伝文句を公式に明記しているため、「このサービスが認められた」=「電子契約では印紙税不要」であることが確認できる事例です。

どうしても不安が残る方は、官公庁のお墨付きがあるクラウドサインを使用するのもおすすめです。 この事例に関して、クラウドサインの公式見解を確認したい方は、以下のリンク先でご確認ください。

グレーゾーン解消制度を活用して、クラウドサインによる契約の適法性を確認しました(クラウドサイン公式メディア)



将来的に電子契約が課税文書になる可能性はある?

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ここまでに紹介した通り、現時点で電子契約に印紙税が必要ないのは明確な事実です。 しかし、将来的にも永久的に印紙税が不要かと言われると、残念ながらそこまでは不透明なのが実情です。

これまで莫大な税収のあった税金が回収できないようになれば、もしかすると国も方針を変えてくる可能性は十分にあります。 電子文書へ収入印紙を貼付するのは難しいので、何らかの方法で課税されるのでしょうか。

実際、税務大学校の教授が近年の電子契約における印紙税回避を批判する内容の論文を発表しています。

「最近における印紙税の課税回避等の動きと今後の課税の在り方」

この論文によると、「現在の法律では電子契約に印紙税が必要ないことは明確である」としながらも、「公平性や中立性の観点からは課税をする方が望ましい」という意見が述べられています。

このように有識者の間では、電子契約にも印紙税を課す方が好ましいという意見は出ているようです。

しかし日本の印紙税の歴史を振り返ると、過去には課税対象であった文書が徐々に非課税となり、印紙税の課税範囲が縮小されてきた事実もあります。 その流れを汲んで「将来的に印紙税は廃止の方向へ向かうのでは?」との見方もあります。

いずれにしても、将来的に電子契約に印紙税が課税されるかどうかは、現時点では全くわからない現状です。 現時点では電子契約において印紙税が不要なのは間違いないので、印紙税を節税できる今のうちに電子契約を導入しておくのが最適な対処法でしょう。

また、電子契約は業務効率アップにも役立つので、節税以外にもメリットがあります。



まとめ:現時点で非課税なのは間違いのない事実

この記事では、電子契約において印紙税が必要ないとされる根拠に関する情報を解説しました。 電子契約で印紙税が必要ない根拠を簡単にまとめると、次の通りです。

  • 国税庁が印紙税不要という公式見解を出しているから
  • 内閣総理大臣が国会答弁で明確に回答しているから
  • 税務署へ確認しても「不要だ」と回答を得られるから
  • 官公庁が適法性を公認した電子契約サービスもあるから

なお現時点で電子契約に印紙税が必要ないのは明確な事実ですが、将来的に課税文書になるのかどうかは不明です。 法的にも印紙税が必要ないとされている今のうちに電子契約を導入して、受けられる恩恵は受けておくのがいいでしょう。

また、こちらの記事では、電子契約の導入を検討している方のために、ニーズ別に最適な電子契約サービスをランキング形式で紹介しています。 電子契約を導入して印紙税のコストを削減したい方は、ぜひ参考にしてくださいね。