「電子契約に興味があるけど、法的効力は問題ないの?」とお悩みではありませんか。 結論からお伝えすると、電子契約であっても紙と印鑑の契約書と同等の法的効力があるのでご安心ください。
しかし、電子契約に強い証拠力を持たせるために押さえるべきポイントも存在しています。 この記事では、電子契約に効力がある根拠や、より証拠力を高めるためのポイントを解説。
オンライン契約の効力に関するお悩みを解消できる記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている昨今、電子契約の導入を検討されている企業も多いのではないでしょうか?電子契約サービス29社を徹底比較した筆者が、みなさまの円滑な電子契約導入をサポートいたします。顧問弁護士による記事のリーガルチェックも経験済み。
【目次】
電子契約に法的効力がある根拠
まずは、電子契約に紙とハンコの契約と同等の法的効力がある根拠をチェックしましょう。
電子契約の効力は電子署名法で認められている
電子契約に法的効力があると言い切れる理由、それは法律で電子契約が認められているからです。 特に電子契約と関わりの深い法律としては、電子署名法があります。この法律は正式名称を「電子署名及び認証業務に関する法律」と呼び、電子契約はもちろん電子上でのあらゆる記録物の正当性を認める内容となっています。 電子署名法の第三条には、次のように明記されています。
電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
引用:e-Gov
この条文を見ると、本人だけが行える電子署名を付与して作成することを条件に、電子契約の法的効力が認められる旨が理解できます。 つまり「電子契約であれば何でもいい」というものではなく、電子署名を付けることではじめて効力が発揮されるのです。
政府が「印鑑はなくても問題ない」と明言
電子契約に効力があることは、日本政府による「契約には印鑑がなくても問題ない」という公式声明文からも読み取れます。 昨今ではテレワーク需要が急増していますが、印鑑の捺印がテレワークの障壁となっています。この事態を受けて、法務省が印鑑を押印する効力や意味について正式な回答を出しました。その声明文によると、次のように記載されています。
問1.契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか。
・ 私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。
・ 特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。
引用:押印についてのQ&A
この文章では契約には印鑑の捺印は必須ではなく、契約の効力には関係がないと明記されています。 つまり電子契約で印鑑の捺印ができないからといって、紙の契約書より効力が劣るわけではないのです。
専用のサービスを利用するのがおすすめ
法的効力のある電子契約には、電子署名を付与することが条件だとお伝えしました。
電子署名を付与するには政府認定の認証局で電子証明書(有料)を発行し、さらに電子署名を付与できるITシステムを整備する必要があります。
しかし自社でITシステムを整備するにはコストも労力もかかる場合があり、ややハードルが高め。 そこで効力のある電子契約を簡単に結ぶためにおすすめなのが、クラウド型の電子契約サービスを利用する方法です。
電子契約サービスとは、その名の通り法的効力がある電子契約を結ぶためのサービスです。 月額制のクラウドサービスであることが一般的で、クラウド上で効力のある契約書の締結作業から契約書の保管までをワンストップで行えるサービスが多いです。
電子契約サービスを利用するメリット
電子上で法的効力のある契約を結ぶために電子契約サービスがおすすめなのには、いくつもの理由があります。 電子契約サービスを利用するメリットは次の通りです。- 法的効力のある電子契約を簡単に結べる
- 最短数分で電子契約が完了し、業務効率化になる
- 契約書の保管や管理が簡単で、ペーパーレス化やテレワークに役立つ
- 自社でのIT開発も不要で導入が簡単
- 印紙税が不要
- 印刷や郵送のコストも削減できる
電子契約サービスを利用する最大のメリットは、とても簡単に法的効力のある契約を締結できる点にあります。 利用料金は月額制のところが多く、月額1万円程度から利用できるサービスもあり導入しやすいです。
代表的な電子契約サービス
法的効力のある電子契約を結べるサービスとして、代表的なものをピックアップすると次の通りです。- クラウドサイン
- 電子印鑑GMOサイン
- DocuSign
- Adobe Sign
なお、電子契約により強い効力を持たせられるおすすめのサービスを後ほど紹介するので、ぜひそちらも参考にしてくださいね。
電子契約により強い証拠力を持たせる方法
電子署名を付与した電子契約には法的効力がありますが、同じ電子契約でも効力の強さが変わってくる点に注意が必要です。 こちらでは、電子契約により強い法的効力を持たせる方法を紹介します。
契約当事者の電子署名を付与する
より法的効力の強い電子契約を実現するためには、契約当事者の電子署名を付与するのがおすすめです。 予備知識として知っておきたいのは、電子契約サービスの中には次の2種類が存在している点です。- サービス運営会社の電子署名を付与するもの
- 契約当事者の電子署名を付与するもの
サービス運営会社の電子署名というのは、簡単に言えば「運営会社(第三者)が契約の正当性を保証してくれる」ということ。 具体的にはメール認証での電子契約がこの方式に該当します。
第三者による電子署名でもその契約の効力は担保できますが、なりすましリスクがあるため本人独自の電子署名と比べると効力で劣る側面があります。 電子契約により強い法的効力を求める方であれば、契約当事者の電子署名を付与できる電子契約サービスを選びましょう。
なお電子署名の基礎から理解したい方は次の記事で詳しく解説しているので、ぜひそちらもご覧ください。
» 電子署名とは?仕組みや活用事例、導入方法など総合的に解説
電子署名と認定タイムスタンプを併用する
電子契約により強い法的効力を求めるなら、電子署名に加えて認定タイムスタンプも利用するのがおすすめです。 認定タイムスタンプとは、政府が認める時刻認証業務認定事業者(TSA)が発行する時刻認証のこと。電子文書へ認定タイムスタンプを付与すると、次のようなことを証明できます。
- その日時には確実に該当文書が存在していること
- その日時以降に該当文書が改ざんされていないこと
つまり電子契約に認定タイムスタンプを付与すれば、契約が確実に成立していることやその後に不正に改ざんされていないことが証明でき、証拠物としてより強い効力を発揮してくれるのです。
また、電子署名と認定タイムスタンプを組み合わせれば、電子署名の効力を10年程度にまで延長できる点もメリットです。
通常、電子署名の有効期限は1〜3年程度であるのが一般的。 しかし認定タイムスタンプを付与すればその期間を延長でき、より長期にわたって電子契約の効力を維持できるのです。
内部統制を強化し無権代理リスクに備える
電子契約の法的効力をより強めるためには、企業の内部統制をより厳格化する必要があります。 法人が売買をはじめとして何らかの契約を結ぶ際、多くの場合は契約締結業務をする人と契約を承認する人は分かれています。どんなに法的効力の強い電子契約サービスを利用したとしても、内部統制に問題があれば無権代理のリスクが高まってしまいます。
無権代理リスクをできる限り減らすためには、権限管理やワークフロー機能などが搭載されている電子契約サービスを利用するのがおすすめ。
こういった機能が搭載されていれば、厳格な内部統制はしつつも契約業務の効率化は阻害されず、最適なソリューションになることでしょう。
より効力が強いおすすめのサービス
ここまでに紹介した電子契約の効力をより強めるための方法に全て対応しているのが「電子印鑑GMOサイン」です。 電子印鑑GMOサインは、様々なITサービスで有名なGMOインターネットグループが提供する法的効力の強い電子契約サービス。
契約当事者の電子署名を付与して、効力の強い電子契約を締結可能です。 さらに電子印鑑GMOサインには権限管理や操作ログ記録などの機能があり、企業の内部統制を強化して効力を高めるにもおすすめ。
もちろんタイムスタンプ機能も搭載されており、電子署名が効力を維持できる有効期限は標準で10年となっています。 無料お試しプランも用意されているので、自社のPCで使い勝手を試すことができます。
まとめ:専用のサービスを利用すれば安心
この記事では、電子契約の効力にまつわる情報を紹介しました。記事の要点をごく簡単にまとめると、次の通りです。- 電子契約の効力は法律で認められている
- ただし電子署名を付与することが条件
- 電子契約サービスを利用すれば効力についても安心
電子署名を付与して証拠力のある電子契約を結ぶには、専用のクラウドサービスを利用するのが簡単でおすすめ。 より強い効力を持たせたい方なら、特に電子印鑑GMOサインを検討するといいでしょう。