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印刷する女性

電子契約の導入を検討しているけど、印刷して保管する必要はあるんだろうか?」とお悩みではありませんか。

電子契約は業務効率化やコスト削減など様々なメリットのある契約方法ですが、もし紙に印刷して保管する義務があるのなら、ペーパーレス化の障壁になってしまいます。

この記事では、電子契約書を印刷して保管する義務はあるのかどうか、詳しく解説しています。 また、電子契約書を印刷した場合の原本や、印紙税に関する情報もまとめています。ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
樽見 章寛
樽見 章寛(たるみ あきひろ) 実印.net 編集部
DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている昨今、電子契約の導入を検討されている企業も多いのではないでしょうか?電子契約サービス29社を徹底比較した筆者が、みなさまの円滑な電子契約導入をサポートいたします。顧問弁護士による記事のリーガルチェックも経験済み。




電子契約書を印刷して保管する必要はある?

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電子契約を導入する際に気になるのが、「電子上で締結した契約書を紙に印刷して保管する必要はある?」という疑問です。 せっかくPDFなどで契約締結を完結できても、紙に印刷して保管する必要があるなら完全なペーパーレス化はできませんよね。

電子契約書を印刷して保管する必要があるかについては、民法と税法で印刷による保管義務が変わってきます。 民法と税法における電子契約書の紙での保管義務の違いは、以下の通りです。

  • 民法…電子契約書は電子データが原本となるため、印刷して保管する必要はない
  • 税法…電子帳簿保存法の要件を満たしていないと、印刷して保管する義務が生じる場合もある

つまり電子契約の印刷管理という意味では、民法よりも税法の方がより注意しなければならないのです。


税法における電子契約の管理について

税法において電子契約を紙に印刷して保管しなければならない状況は限られています。それは、電子帳簿保存法を満たしていない場合です。

電子帳簿保存法とは、税務関連の書類や帳簿などの電子化を認める法律のことです。 事前に所轄の事務所へ申請を行った上(電子取引については申請不要)で、各種帳簿をはじめとする国税関係書類を電子化できます。

税務においては、契約書は7年間の保管義務があります。保管にあたり様々な要件があり、それを満たしていれば、電子契約書を紙に印刷して保管する必要はありません。

反対に電子帳簿保存法の要件を満たしていない場合は、電子契約書を紙に印刷して保管する必要が生じてきます。 電子契約で印刷不要の完全なペーパーレス化を果たすためには、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があるのです。

電子帳簿保存法の要件は「検索機能を付けること」「タイムスタンプを付与すること」など様々です。 電子契約サービスによって電子帳簿保存法に対応しているかどうかは異なるので、導入を検討している方は、ぜひお気軽に問い合わせてみてください。



電子帳簿保存法の改正で電子保管が容易に

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「電子帳簿保存法に対応していれば電子契約書を紙に印刷して保管する必要はない」とお伝えしましたが、実はこれまで電子帳簿保存法の要件はかなり厳しい内容となっており、企業のペーパーレス化の障壁となっていました。

しかし、2020年10月に電子帳簿保存法が改正され、現在では要件が緩和されています。 電子契約で印刷不要の完全なペーパーレス化を果たすためにも重要な内容ですので、電子帳簿保存法の改正内容について解説します。


これまでの電子帳簿保存法

改正前の電子帳簿保存法では、導入している電子契約サービスの内容によっては当事者全員の電子証明書とタイムスタンプを受領者自身で付与する必要がありました。 この要件を満たすためにはコストも労力もかかるため、多くの企業が電子契約の導入に踏み切れず、印刷から脱却できずにいました。

改正前の電子帳簿保存法の場合、タイムスタンプ機能がない電子契約サービスを利用している企業は、税務上の保管義務を満たすために電子契約書をわざわざ印刷して保管する必要があったのです。


2020年10月の改正後の電子帳簿保存法

2020年10月に行われた電子帳簿保存法の改正では、ユーザーが自由に改変できないクラウドサービスを利用している場合は、タイムスタンプなしでも認められるようになりました。 これにより、電子契約書を印刷しなくても国税庁の保管義務を満たせるようになったのです。


電子契約だけなら申請は不要

「電子帳簿保存法は必ず税務署への申請が必要」と誤解している方もいます。 しかし、実は電子契約などの電子取引のみを電子化するなら税務署への申請は必要ありません。

ただし、帳簿や自社発行の書類、印刷されて受け取った領収書などを電子化する場合には、税務署への申請が必要となるのは注意点です。



紙の契約書を電子化する場合でも原本は保管が必要

注意

「過去に締結済みの印刷された契約書は電子化できない?」とお考えの方もいますよね。 印刷された紙の契約書を電子化することに関しても、民法と税法で取り扱いが異なります。

  • 民法…電子化して管理は可能だが、証拠力を担保するなら印刷された原本は破棄できない
  • 税法…電子帳簿保存法の要件を満たせば、電子化の上で印刷された原本を破棄できる

紙で締結した契約書は印刷された紙文書が原本となるため、電子化したものはあくまでコピー(写し)です。 もし印刷された紙の契約書を電子化の後に破棄してしまうと、民法における証拠力が弱くなってしまう恐れがあります。

一方、税法においては電子帳簿保存法の「スキャナ保存」と呼ばれる要件を満たせば、電子化の後に印刷された紙の契約書を破棄することが可能です。

以上を踏まえると、契約書を電子化して管理する場合でも印刷された紙の原本は破棄しない方がいいでしょう。


紙の書類を電子化するならWAN-Signが便利

既存の紙の書類もデータ化して一元管理したいなら、無料から利用できる電子契約サービス「WAN-Sign」がおすすめです。 WAN-Signなら紙の契約書のスキャンから保管までまとめて代行してくれて便利です。

またWAN-SignはNTTデータの「ClimberCloud」と協業しており、電子帳簿保存法にも対応しています。 電子契約と紙の書類の電子化を両方実現できるWAN-Signを、ぜひご検討ください。

なおWAN-Signのサービス詳細は次の記事でも詳しく解説しています。 電子帳簿保存法に対応している電子契約サービスを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

» WAN-Signのサービス詳細を解説!【他社との料金比較も】



電子契約書を印刷した場合の印紙税について

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「電子契約の場合は印紙税が非課税でも、紙に印刷して保管したら課税対象になるのでは?」と心配している方もいるでしょう。 しかし、電子契約書を紙に印刷して保管する場合でも、変わらず印紙不要なのでご安心ください。

その理由は、電子契約書は電子上で作成された電子署名が付与されている文書が原本であり、印刷物はコピー(写し)としてみなされるためです。 印紙税は原本に課せられる税金であるため、コピーには印紙代は発生しません。



電子帳簿保存法に対応できるクラウドサービスを選ぼう

この記事では、電子契約書を紙に印刷して保管する必要はあるのかどうか、詳しい情報を解説しました。 記事の要点をごく簡単にまとめると、次の通りです。

  • 電子帳簿保存法の要件を満たせば電子契約書を紙に印刷
  • 保管する必要はない
  • 電子契約サービスによって電子帳簿保存法の対応可否は異なる
  • 電子契約書は電子データが原本であり、紙に印刷しても印紙税は非課税
  • 紙の契約書を電子化する場合でも原本は保管する方が好ましい

電子帳簿保存法に対応している電子契約サービスを検討するなら、WAN-Signがおすすめです。 法的効力のある電子契約を結べるのはもちろん、過去に締結済みの紙の契約書も電子化して一元管理できます。