「ペーパーレス化を進めたいけど、取引における証拠力担保はどうすればいい?」とお悩みではありませんか。 特に対面取引におけるペーパーレス時代の証拠力担保には、電子上での手書きサインがおすすめです。
この記事では、電子上の手書きサインとはなんなのか解説しているほか、証拠として有効なのかも解説します。 記事内では、実際に電子上での手書きサインを導入してペーパーレス化に成功している事例も掲載。
また、ペーパーレス化と電子上での手書きサインを両方実現できるおすすめのITサービスも紹介しています。 「ペーパーレス時代のサイン」について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている昨今、電子契約の導入を検討されている企業も多いのではないでしょうか?電子契約サービス29社を徹底比較した筆者が、みなさまの円滑な電子契約導入をサポートいたします。顧問弁護士による記事のリーガルチェックも経験済み。
【目次】
ペーパーレス時代には電子上での手書きサインを活用しよう
「時代は脱印鑑やペーパーレス化の流れだけど、証拠力としてサインもほしい…」そんな風にお考えの会社には、電子上での手書きサインがおすすめです。
電子上での手書きサインとは、タブレットなどの電子端末へタッチペンなどを用いて手書きでサインを行うこと。 大手金融機関や携帯会社、保険会社などでも導入されており、ペーパーレス化と手書きサインによる同意の証拠を共存させられる手段として有効です。
電子上の手書きサインに証拠力はある?
「電子上の手書きサインは筆跡が崩れるから、証拠力としては弱いのでは?」と不安に感じる方がいるかもしれません。 しかしその点についてもご安心ください。
電子上の手書きサインでも筆跡鑑定ができ、同意者にきちんと証拠力のあるサインをしてもらうことが可能です。 電子上の手書きサインに証拠力がある理由として、次のように様々な情報が記録される点が挙げられます。
- 筆癖
- 筆圧
- 書き順やペンの運び方
実際の導入事例を紹介すると、メガバンクの1つである「三井住友銀行」の事例があります。
三井住友銀行で導入されている電子サインでは、筆圧や距離、方向などから本人確認できるテクノロジーが用いられており、すでにペーパーレスの現場で実用化されていることがわかります。
このようにペーパーレス化を進めるために必要な技術はすでに整いつつあり、電子上での手書きサインはおすすめのソリューションです。
ただし三井住友銀行と同様に筆圧などを使って本人確認するためには、専門的な環境(デバイスやシステム)が必要であり、まだ導入ハードルは高めです。
現時点で中小企業や個人事業主がペーパーレス化を実現するなら、低コストで利用できる「電子署名ツール」を用いるのが現実的でしょう。
電子上での手書き署名におすすめのサービス
電子上での手書きサインを低コストで導入するには、電子署名ツールを使用するのがおすすめです。 こちらでは、手書きサイン機能のある電子署名ツールを紹介します。 いずれも無料お試しプランがあるので、あらかじめ使い方を確認したい方はぜひ試してみてください。
なお、こちらで紹介している以外にもっと豊富な選択肢から電子署名ツールを比較したい場合は、以下の記事でご確認ください。
» 自社に最適な電子署名ツールは?
電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインは、GMOインターネットグループが提供する電子署名ツールです。 業界でも最安クラスの低価格で法的効力のある電子契約を結ぶことができ、さらに電子上での手書きサインにも対応しています。ペーパーレス化の第一歩として導入するにも電子印鑑GMOサインはおすすめで、toCのビジネスだけではなくtoBにも役立つサービスとなっています。
クラウドサインNOW
ペーパーレス化と電子上での手書きサインを両方実現したいなら、「クラウドサインNOW」もおすすめです。 クラウドサインNOWは、電子契約システムのシェアNo.1であるクラウドサインが提供するtoC向けのサービスです。これまでは紙の書類で作成していた申込書や契約書などをペーパーレス化でき、タブレットへの手書きサインを高精度で即時データ化することができます。
またクラウドサインNOWが評判なのは、顧客情報のペーパーレス一元管理ができる点にもあります。 顧客情報を自動でデータ化してくれるので、店舗経営の改善にも役立ちます。
WAN-Sign
WAN-Signは、電子印鑑GMOサインを基盤に作られている電子契約サービスです。 Agreeと同様に電子上での手書きサイン機能が付いているので、ペーパーレスと電子上での手書きサインを両立させたい企業に最適です。WAN-Signの特徴は、機密文書の保管や抹消などのサービスも実施している点です。 既存の紙文書のペーパーレス化を代行してくれたり、電子化後の保管代行をしてくれたりする特徴もあります。
新規申込でペーパーレス化をするのはもちろん、過去の書類までペーパーレス化したい企業にはWAN-Signが最適です。
BtoCでは完全なデジタル化は難しい場合も
BtoCサービスをメインに提供している企業の場合、完全なペーパーレス化をするのは難しい場合もあります。 BtoCの分野では書面交付義務のある契約も多く存在しており、簡単にいえば法律でペーパーレス化が規制されている契約書があるのです。
どんなにペーパーレス化を進めたとしても、法規制の残る書類をペーパーレス化することはできません。 代表例としては不動産業界における「重要事項説明書」が挙げられます。
現時点で重要事項説明書はペーパーレス化が完全に認められておらず、紙で発行する必要があります。
また電気通信分野などにおいては、利用者の同意があれば各書類の電磁的交付が認められるケースもあります。 BtoCのペーパーレス化を図るのであれば、各種法律の正しい理解は必要不可欠です。
ただし法規制の残る書類があるとはいえ、それ以外の部分をペーパーレス化することで業務効率化を最大限に高め、紙などのコスト削減も可能です。 どんな業界や業種であっても、ペーパーレス化によるメリットは非常に大きいものです。
新型コロナウイルスの影響でペーパーレス化が加速
昨今の新型コロナウイルスの影響で、日本国内におけるペーパーレス化が加速しています。 先ほど法規制が残る書類として紹介した重要事項説明書ですが、最近では規制緩和の動きもあり、2020年10月からペーパーレス化の社会実験が行われました。新型コロナウイルスの影響により非対面契約の重要性が再認識され、日本政府もペーパーレス化を推奨しています。 こういった流れから、今後もペーパーレス化はより進んでいくと予測されます。
まとめ:ペーパーレスでも証拠力は担保できる
この記事では、ペーパーレス時代の証拠力担保に最適な電子上での手書きサインについて解説しました。 記事の要点をごく簡単にまとめると、次の通りです。- 電子上での手書きサインとは、タブレットなどにタッチペンで行うサインのこと
- 筆圧や筆の運びなどから筆跡鑑定(本人確認)を行うことが可能
- 三井住友銀行では電子上での手書きサインによる本人確認を導入済み
- BtoCではペーパーレス化に規制の残る書類もあるため注意
なお「そもそもペーパーレスとは?」「メリット・デメリットを詳しく知りたい」という方には、次の記事もおすすめです。 次の記事では、ペーパーレスに関する基礎知識をわかりやすく解説しています。
» ペーパーレス化とは?メリットやデメリット、注意点も解説