代表者印は、いわば会社の「実印」です。
個人の印鑑と同じように、会社印にも「実印」「銀行印」「認印」に相当する「代表者印」「法人銀行印」「社印(角印)」があります。
法人の場合は、印鑑を使う機会は限られていますし、印鑑を使う人間も限られていますので、どこにどの印鑑を押せばいいのか迷うこともありますよね。
しかし、あなたが会社の「経営者」や重要な「役員」である場合、会社の印鑑を正しく使えなければ、取引先との契約など、重要な場面での失敗につながります。
ここでは、会社の未来を左右する可能性がある「代表者印」とはそもそもどのような印鑑のことなのか、また、代表者印を作成する際に気をつけなければならないポイントはどこなのかについて詳しくご紹介していきます。
これから起業される方は必見です!
目次
代表者印とは?会社実印の基礎知識
代表者印とは「会社の実印」のことで、本店の所在地を管轄している法務局で登記した印鑑のことを指します。
会社を設立した代表者は、商業登記法、商法、会社法、その他関連する法律の規定により、印鑑を登記所に提出する必要があります。
法人の経営者が会社を代表して外部との契約を行うときなど、会社の代表者として署名し、会社実印で捺印すると言うように使用することから、代表者印と呼ばれています。
基本的に「代表者印=会社の実印」と考えていただいていいのですが、「代表者印」という名前で会社の「役職印」も指す場合がありますのでご注意を。
個人実印と違うところは個人の名前が入るかどうか。 代表者印などの法人印に名前を入れる場合は、一般的に個人の名前ではなく「会社名」や「役職名」が入ります。
会社印鑑は代表者印の他に、法人銀行印や角印もあります。これらの法人印のサイズを決める際には、代表者印のサイズを基準にするのが一般的です。
代表者印は会社にとっての実印なので、個人の印鑑と同じように「この印影は私の会社の代表として捺印したものです」ということを証明するためにも全てのポイントを満たした印鑑を作成し、登記しましょう。
重要な契約に使用される場合がほとんどですので、書類に押印するとき、保管をする場所には細心の注意を払うようにしてくださいね。
それでは、代表者印を作成する際に具体的にどんなポイントに気をつけなければならないか、以下で見ていきましょう。
代表者印を作成するときの4つのポイント
代表者印は法人印の中でも特に重要な印鑑です。そのため、代表者印を作成する際には、次の4つのポイントに注意しなければなりません。
名前 | 書体 | サイズ | 素材 |
それでは4つのポイントについて、それぞれどのように気をつければいいか見ていきましょう。
ポイント1.印面に彫る名前は外枠と内枠で違う
最初に、印面に彫る「名前」について見ていきます。
個人の実印は住民票に記載されている名前を使用していなければ登録できませんでしたが、会社の実印である代表者印にはどのような決まりがあるのでしょうか?
代表者印の印面で個人の実印と大きく異なる部分は、「外枠」と「内枠」の2層構造になっているところ。 2層あるということはそれぞれの層に別々の名前を彫る必要があるということです。
では、「外枠」と「内枠」それぞれに対して、どのような名前を彫ればいいのでしょうか?
まず代表者印の外枠には会社名やお店の名前を入力します。
内枠に入れる名前は会社の形態によって異なります。 株式会社や有限会社で代表者印を作成する場合は「代表取締役印」と彫刻し、合資会社や個人で経営する商店の場合、「代表者印」と彫刻します。
また、代表者印を会社役員の印鑑として使用する場合は「取締役印」や「会長之印」あるいは「部長之印」などの役職名を内枠内に彫刻します。
基本的には代表者印は会社の実印ですので、個人の名前が入ることはありません。
内枠には「代表取締役印」のように彫刻し、外枠には「会社の名前」を彫刻するとおぼえておきましょう。
会社名が英語の場合はカタカナにする必要があるの?
会社名にアルファベットが含まれているとカタカナにする必要があるんじゃないかと考えてしまいますよね。以前は、称号に英語を使用することができず、カタカナで作成する必要がありました。
しかし、2002年に商業登記法の一部が改正されたため、現在ではアルファベット表記の印鑑を作成することが可能です。
彫る名前が決まったら、書体を選ぶ必要があります。会社の実印にふさわしい書体がありますのでしっかりチェックしてくださいね。
ポイント2.会社名はできるだけ複雑な書体で
印面は円状に2層となっており、外枠に会社名を、内枠には「代表取締役印」などの役職名を彫刻しますが、どのような書体を選べばいいかわかりますか?
一般的に多く使われている書体は「篆書体(てんしょたい)」、次に多いのが「吉相体(きっそうたい)」です。 これらの書体は個人用の実印でも多く使用されています。
なぜこれらの書体が人気なのでしょうか? それは「篆書体」や「吉相体」が複雑な書体で、偽造や複製が難しいから。
代表者印は基本的に会社で一本しか登記できない印鑑です。非常に重要な契約時に会社の代表として書類に捺印する印鑑ですので、簡単で読みやすい書体で作ってしまうと、これからずっと使用していく代表者印として不安が高くなってしまいます。
そのため、代表者印にはなるべく「複雑な書体」を使用しましょう。 おすすめは多くの方が使用している「篆書体」「吉相体」です。 偽造や複製の不安をより取り除くためには機械彫りよりも手彫りを選ぶのがおすすめです。
書体を決めたら、どんなサイズで代表者印を作成するかを決めていきましょう。 サイズによっては登記できない場合もあるので、要チェックです!
ポイント3.サイズは登録できる規定の範囲内で
代表者印は個人の実印と違って、印面が外枠と内枠の2層となっています。
「会社名が長いし、しっかり名前が読めたほうがいいから大きい印鑑を作ろう!」
そのままだと登記できないかもしれません。
法務省によると、会社の設立の際に登記する代表者印のサイズは「1辺が1cmの正方形よりも大きくて、1辺が3cmの正方形よりも小さいこと」とされています。
ですので、印面の直径が1cm以上、3cm以下である必要があります。
このサイズの範囲内で作成しなければ、代表者印を登記できませんので、一番重要なポイントです!
また、代表者印を販売している印鑑ショップでは一般的に次の4つのサイズで販売しています。
「16.5mm」「18.0 mm」「21.0 mm」「24.0 mm」
この中で人気なのは、「18.0 mm」と「21.0 mm」です。
代表者印のサイズによって、その他の会社印鑑のサイズの組み合わせが変わります。
最も多く作成されている組み合わせは以下の2パターン。
代表者印 | 法人銀行印 | 社印(角印) |
---|---|---|
18.0 mm | 16.5 mm | 21.0 mm |
21.0 mm | 18.0 mm | 24.0 mm |
会社印鑑は一般的に、「法人銀行印 <代表者印< 社印(角印)」というようなサイズで作成します。
会社印鑑のサイズを決めるのは代表者印。法人銀行印は代表者印よりも小さく、社印(角印)は代表者印よりも大きいサイズで作成するのが暗黙のルールとなっています。
そして、代表者印は基本的に個人の実印よりも大きいサイズで作成しますので、上記のような「18.0 mm」「21.0 mm」で作られる方が多いようです。
また、購入する際には印鑑の形を決める必要があります。
代表者印の形は「天丸型」と「寸胴型」の2種類から選ぶことができます。「寸胴型」は個人用の実印と同じ形。個人用の実印と区別するためにも、代表者印は「天丸型」を選ばれる方が多いようです。
それでは最後に、印鑑の素材を決めましょう!
代表者印の見た目と使用感を大きく左右します。契約の場で相手にも見られることも考えながら素材を見ていきましょう。
ポイント4.代表者印の素材は見た目と耐久性で選ぶ
代表者印を作成するならば、素材は慎重に選びたいところ。個人の実印以上に気をつけなければならないのは、印鑑の見た目。
代表者印を使用する場面として、対外的に会社の代表者として重要な契約をする場合が考えられます。
外見が9割という言葉もあるように、見た目は非常に重要です。 契約など相手がいる場合にはできるだけ好印象を持ってもらいたいものです。
また、代表者印が欠けたり、ヒビが入ったりして何度も作り直しているとその度に印影が変わってしまいます。
相手の会社の印影がコロコロ変わってしまうと、もしかして「信用できない会社じゃないか・・・」というような感情を引き起こしてしまいます。
そこで、上記の「見た目」と「耐久性」をどちらも兼ね備えた「代表者印におすすめの素材」を厳選して3つご紹介します。
チタン
チタン印鑑はいま存在している印鑑素材の中で最強の印鑑と言っても過言ではないほど、欲しい条件をすべて兼ね備えています。
チタンは「丈夫で傷がつきにくく、変形しづらい」「金属アレルギーの心配がない」「ecoで環境にやさしい」という特徴があります。
さらに、チタン印鑑には様々な種類があります。
高級感でいうと、ブラックチタンやゴールドチタンは別格です。
ハンコヤドットコムならチタン印鑑の種類が豊富なので、見た目にもこだわって印鑑を作成することができます。
代表者印だけでなく法人印としてもぜひ使用していただきたい素材です。
チタン印鑑の特徴について詳しく知りたい方はこちらのページでご紹介しています!
チタン印鑑の詳細はこちら
牛角(オランダ水牛)
白い見た目から象牙のような美しさもある「牛角(オランダ水牛)」。
牛角にはランクがあり、最上級の「純白」は本当に美しく、女性の実印素材としても非常に人気の高い印鑑です。
代表者印として使用すれば、上品さを兼ね備えた印鑑となるでしょう。
見た目の美しさを求めるなら「純白」ですが、模様によるオリジナル性を求めるなら「中色」や「淡色」も一つ一つに違いがあり特別な印鑑となるでしょう。
牛角(オランダ水牛)印鑑の特徴について詳しく知りたい方はこちらのページでご紹介しています!
牛角(オランダ水牛)印鑑の詳細はこちら
黒水牛
見た目の高級感は欲しいけれど、チタンや象牙は高くて買えない・・・
そんなあなたにおすすめしたい印鑑素材が「黒水牛」
見た目は漆黒で光沢があるので高級感が感じられます。
その上、値段はリーズナブル。
ハンコヤドットコムなら+1,000円(税込)~あたり部分にジュエルを入れることもできますので、安くても高級感のある代表者印を作成することができます。
黒水牛印鑑の特徴について詳しく知りたい方はこちらのページでご紹介しています!
黒水牛印鑑の詳細はこちら
上記3つの素材が「見た目」と「耐久性」から選ぶ代表者印におすすめの印材です。 これらの印鑑を作成するなら、通販サイトでの購入がおすすめ!店頭価格よりはるかに安く作る事ができます。
例えば、はんこプレミアムの価格は以下のようになっています。
※表記価格は税込
代表者印 (天丸:18.0 mm) |
チタン | 牛角(オランダ水牛) | 黒水牛 |
---|---|---|---|
店頭価格 | 26,215円 | 15,190円 | 10,815円 |
通販価格 | 14,980円 | 8,680円 | 6,180円 |
差額 | -11,235円 | -6,510円 | -4,635円 |
また、実店舗での販売を行っていないことで維持費等が必要ないので、非常に安く印鑑を販売しているショップもあります。
それでは次に、代表者印を購入するのにおすすめの印鑑通販サイトをチェックしてみましょう!
通販で代表者印を購入するならこのサイトがおすすめ!
代表者印などの法人印を作成するのも通販サイトがおすすめです。
重要な印鑑をネットで購入することに不安を感じる方もいらっしゃると思いますが、現在は印鑑もインターネットで購入するのが主流となっています。
当サイトが選ぶ「代表者印を購入するのにおすすめの通販サイト」を3つご紹介致します。いずれの印鑑ショップにも直接インタビューをしておりますので、信頼できる印鑑ショップです。
ハンコヤドットコム
ハンコヤドットコムは印鑑業界最大手!年間45万件以上の出荷実績を持つ絶対的な安心と信頼ができるショップです。
その上、品質やサービスへのこだわりが非常に強いので、満足のいく購入体験から印鑑業界では珍しいリピーターがつくほど。
代表者印だからこそ一番信頼できるところで購入したい、高品質な印鑑を作成したいという方におすすめです。
\印鑑通販シェアNo.1/
ハンコヤドットコムの公式サイトへハンコマン
できるだけ早く会社印鑑を作成したい方におすすめしたいのがハンコマン。
福岡にある会社ですが、北海道から沖縄まで注文を受けた翌日には印鑑を届けることが可能です。
- 書類をすべて揃えたのに代表者印がないから登記に行けない!
- できるだけ早く法人印が欲しいけど良い印鑑が作りたい!
\業界屈指のスピード出荷/
ハンコマンの公式サイトへはんこプレミアム
とにかく安く代表者印を作成したいという方におすすめしたいのがはんこプレミアムです。はんこプレミアムは元印鑑卸売業者ですので、印鑑を安く作成することが可能となっています。
はんこプレミアムのインタビュー記事はこちら
また、店頭販売を行わないため実店舗が必要なく、広告などの宣伝を行っていないため、驚きの低価格を実現できています。
良い印鑑が欲しいけど、会社を設立するための資金が限られているので安く代表者印を作りたいという方におすすめです。
\高品質な印鑑が安い/
はんこプレミアムの公式サイトへ3つのサイトでのおすすめ素材3つの価格をそれぞれ調査しましたので以下の表にまとめます。
代表者印 (天丸:18.0 mm) |
チタン | 牛角(オランダ水牛) | 黒水牛 |
---|---|---|---|
ハンコヤドットコム | 33,500円 | 16,350円 | 12,070円 |
ハンコマン | 65,490円 | 19,520円 | 11,750円 |
はんこプレミアム | 14,980円 | 8,680円 | 6,180円 |
ちなみに・・・
象牙
会社印鑑の王道素材といえば象牙。代表者印としてもおすすめの素材です。象牙の持っている高級感や耐久性は印鑑の素材として非常に魅力的。会社印鑑、特に、代表者印として象牙の印鑑を持っていると高いステータスを感じさせるので、ぜひ契約の場で使用していただきたいです。
ただ、象牙は世界的に輸出入が禁止されている素材で、すでに日本国内にある分に限り、ごく少数の業者で販売されています。
そんな象牙で代表者印が作れる数少ないサイトの中で、おすすめは「平安堂」。平安堂は取り扱っている印材数がNo.1の印章店です。
彫刻技能士の国家検定1級を持っている職人が印鑑の彫刻を行っています。
象牙を始めとした「高級法人印鑑」を購入したい方には平安堂がおすすめです!
\最高級の手掘り印鑑が人気/
平安堂の公式サイトへ代表者印用の印鑑を作成したならば、あとは登記を済ますのみ!最後に法人印を登記する方法について見ていきましょう。
会社印鑑を購入したら登記に行こう!
代表者印は会社を設立する際に登記所に提出する必要がある印鑑です。 個人用の実印は住民票のある役所で申請をしますが、会社の実印の場合は「法務局」なので注意が必要です。
会社の本社・本店が所在している場所を管轄している登記所(法務局)にて代表者印の登録を行いましょう。 代表者印を登記する際に必要となるものは以下となります。
代表者印の登録に必要なもの
- 登録する代表者印
- 印鑑届書
- 印鑑カード交付申請書
- 代表者個人の実印
- 代表者個人の印鑑証明書
- 提出者の公的身分証明証
無事に印鑑カードを受け取れたなら代表者印の登録は完了ですので、会社印鑑証明書を発行してもらうときには、印鑑カードと所定の手数料をもって印鑑証明書を交付してもらいに行きましょう。
【コラム】代表者印と社印(角印)との違い
代表者印と社印(角印)の違いをご存知でしょうか?代表者印は印面が丸く、印影には会社名と「代表取締役印」などの役職名が刻まれています。
一方、社印(角印)は印面が四角く、印影には会社名のみが刻まれています。これらの違いについて以下のページで詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
法人印の実印と角印の違いと使い分けはこちら