「タブレットやスマホで署名できるシステムを導入したいんだけど、どれを選べばいい?」
こちらの記事では、タブレットなどの端末へ手書きサインが行える代表的なサービスを紹介しているほか、「電子サインとは」などの基礎知識も解説しています。
最後までご覧いただければ、電子サインの意味を正しく理解できるのはもちろん、電子署名との違いや法的効力に関する情報も学ぶことが可能です。
電子サインに関する情報を網羅的にまとめているので、ぜひ参考にしてください。
完全無料で利用できる電子サインツールも紹介しているので、すぐに導入してみたい方にもおすすめです!
目次
電子サインとは
「そもそも電子サインって何のこと?」と疑問を抱えている方のために、電子サインの基礎知識を解説します。
電子サインとは、電子上での合意や本人証明のためのあらゆる記録物や認証プロセスなどを広く表す言葉です。
- 電子文書への手書きサイン
- メールや電話による認証・本人確認
- 指紋/声紋/静脈などの生体認証
こういったあらゆる記録物や認証プロセスを広く総称する言葉が電子サインということです。
例えば本人の声で「この契約に合意します」といった録音を電子上に保管しておけば、それも立派な電子サインなのです。
電子サインは、サインを行った人物が真正に本人であることを証明できるテクノロジーと相まって初めて有効性が担保できるものです。
そのため、法的効力のある電子サインを行うには、そのサインの正当性を証明できる環境が必要になります。
電子サインは「タブレット端末への手書きサイン」を意味するケースが多い
先ほど紹介した内容が本来の電子サインの意味となります。 しかし電子サインという言葉は、サービスや使われるシーンによって、指している内容が異なる場合もあるので注意が必要です。なかでも特に、「タブレットやスマートフォンなどの端末への手書きサイン」を電子サインと称している企業やサービスが多いです。
身近な例を挙げれば、百貨店などで買い物をするときに、サインを求められることもありますよね。 ああいった電子端末への手書きサインのことを、電子サインと呼ぶケースが多くなっています。
これを理解しておけば、電子サインという言葉を見たときに「何を意味しているのか」を把握しやすくなるでしょう。
電子サインと電子署名との違い
※出典:GMOサイン
電子サインと似た言葉に「電子署名」があります。電子サインと電子署名の違いを簡単に解説すると、「電子サインの1種に電子署名がある」と捉えるといいでしょう。
ただし電子署名は、「電子署名法」と呼ばれる法律でも効力が認められていて、電子サインの中でも特に法的効力が強い存在です。
個人や法人が電子署名をするためには、政府が定める認証局にて厳重な本人確認のもと、電子証明書を発行してもらう必要があります。
まとめると、電子サインの1種に電子署名が位置していて、法的効力が特に強いのは電子署名だということです。
電子署名の基礎知識は次の記事で詳しく解説しているので、電子サインについて理解するために、ぜひそちらもお読みください。
電子署名の仕組みや活用事例など
網羅的に解説
電子サインに法的効力はあるのか
電子署名の方が、広義な電子サインよりも法的効力が強いとお伝えしました。 それでは、電子署名以外の電子サインに法的効力はあるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
電子証明書がない=法的効力はない?
電子署名には電子証明書が発行されるため、法的効力があるのは先述の通りです。 一方、電子サインは全般的に電子証明書がなくとも行えるものであり、例えばタブレット端末へ行う手書きの電子サインなどは、電子証明書なしで実施するのが基本です。それでは電子証明書のない電子サインには法的効力がないのか。答えはNOです。 電子証明書がない電子サインだからといって、100%法的効力がないとは言い切れません。
なぜなら、電子サインで本人認証をするための手段は、認証局で電子証明書を発行することだけではないからです。
例えば特定のメールアドレスへメールを送り、本文に記載されているURLから契約を行えば、それは本人しか知り得ないURLであることから、本人確認の手段として有効です。 (※ごく簡単に説明していますが、実際はより複雑な仕組みとなっています)
※出典:GMOサイン
この仕組みは、電子サインの中でもメール認証と呼ばれています。
ただし電子サインにおけるメール認証の問題点として、メールアドレスの乗っ取りやサーバーからの流出といった、セキュリティ上の脆弱性が挙げられます。 こういったリスクがある以上、法的な観点からの効力は比較的弱めです。
より強い法的効力を求めるなら電子署名を導入
このように電子サインにも法的効力はないわけではありませんが、より強い効力を求めるのであれば電子署名を導入するのがいいでしょう。電子証明書を発行して電子署名を使えるサービスとしては、電子印鑑GMOサインやWAN-Signなどが挙げられます。
なお、電子署名を用いているサービスは「当事者型」と呼ばれます。
三井住友銀行での電子サイン導入事例
法的効力が弱いとされる電子サインですが、実際に自治体や大手金融機関が導入している実例もあります。 例えば三井住友銀行では、利用者がタブレット端末へ手書きでサインする「サイン認証」を導入しています。「端末へ手書きする電子サインなんて、文字が雑になり偽造されやすいのでは?」と感じるかもしれませんが、三井住友銀行のサイン認証では、書き順や線の距離・方向、書くスピードや筆圧など、様々な情報から本人認証を行っています。
このように、電子サインであっても与えられた情報から本人認証できる技術があれば、効力を持たせることは十分に可能です。
その技術の改ざん・偽造リスクの低さが、法的効力の強さにつながっていくのです。
【タブレットに手書きサイン】代表的な電子サインのサービス6選
「電子サイン」という言葉は、企業やサービスによって表している意味が異なる場合があります。 こちらでは電子サインのことを「タブレットなどの端末に手書きでサインするもの」と捉え、代表的なサービス6種類を紹介します。
代表的な電子サインサービス6選
- クラウドサインNOW
- 電子印鑑GMOサイン
- WAN-Sign
- Acrobat Sign
- DocuSign
- Smallpdf「EサインPDF」
またタブレットなどの端末への手書きサインではなく、法的効力のある電子署名で電子契約を結びたい方は、次の記事で『電子署名タイプ』の電子契約サービスをランキング形式で紹介していますので、そちらをご覧ください。
おすすめの電子契約サービスは?
【比較ランキング】
それでは、電子サインができる代表的なサービスを見てみましょう。
クラウドサインNOW
まず紹介する電子サインサービスは、「クラウドサインNOW」です。電子契約の業界大手であるクラウドサインが提供するサービス。 特に、お客様と対面で接する実店舗での電子サインの利用が想定されています。
クラウドサインNOWは、お客様に入会申込書を書いてもらったり、購入の意思証明としてサインをしてもらったり、手書きでの電子サインがメインのサービスです。
そのほかにも店舗運営に欠かせない各種分析機能が搭載されており、店舗の運営効率化に役立つツールとなっています。
クラウドサインNOWは知名度が高いことが特徴ですが、22,000円(税込)の月額固定料金がかかり、他にも様々な従量料金があるため、コストはかさみがち。
費用を抑えて電子サインを導入したい企業は、次に紹介する電子印鑑GMOサインを検討するといいでしょう。
なお、電子契約サービスの方のクラウドサインでは、タブレットへの手書きの電子サイン機能は利用できないため注意が必要です。
電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインは、IT業界の大手であるGMOインターネットグループが提供する電子契約サービス。 電子契約を結ぶための機能が搭載されているのはもちろん、月額9,680円(税込)〜とリーズナブルな価格で、タブレットなどへの手書きの電子サインが利用可能です。
また、手書きサイン以外にも電子上でハンコを押印する機能など、電子契約を結ぶために必要な機能が全て備わっていることも特徴。 手書きの電子サインや電子契約に関連する機能をまとめて利用したい企業にもおすすめです。
なお電子印鑑GMOサインでは、タブレットなどの端末へ手書きで行うサインは「手書きサイン」と呼ばれてます。 「電子サイン」という表記ではありませんが、意味は同じなのでご安心ください。
WAN-Sign
WAN-Signは、株式会社ワンビシアーカイブズが提供する電子契約サービスです。 運営会社はWAN-Signの他にも、機密情報の抹消サービスや医療分野の検体保管サービスなどを提供しており、セキュリティに力を入れています。
WAN-Signを導入すればタブレットやスマートフォンなどでの電子サインが行えるだけでなく、プランによっては法的効力のある電子契約を結ぶことも可能。
お客様からサインをもらう必要がある店舗はもちろん、企業間取引にも使えるサービスです。
Acrobat Sign(旧:Adobe Sign)
Acrobat Signは、Acrobat Readerなどで有名なAdobe社が提供する電子サインサービスです。 利用するプランによってはWEBサイトのフォームへ電子サイン欄を設置することも可能で、オンライン取引にも活用しやすいサービスとなっています。
DocuSign
DocuSignは外資系の電子契約サービスです。世界中で高いシェアを誇る電子契約サービスであり、多言語対応なので海外の顧客と取引を行う企業におすすめです。 Salesforceとの連携がしやすいので、Salesforceのヘビーユーザーにも使い勝手がいいでしょう。
Smallpdf「EサインPDF」
外資系のPDF作成サービスであるSmallpdfは、「EサインPDF」と呼ばれる電子サインサービスを提供しています。 月額1,350円(税込)と圧倒的に安い価格で利用できるため、社内での文書確認などに電子サインを導入したい企業におすすめです。
ただし電子印鑑GMOサインやAdobe Signのように業界大手のサービスではないため、セキュリティ面での不安は拭いきれません。
取引先との重要な契約など、情報漏えいのリスクを減らすためには、別のサービスを検討する方がいいでしょう。
無料で電子サインを利用する方法
「電子サインを導入したい」と考える企業や店舗の多くが、タブレットなどの端末への手書きサインを想定しているのではないでしょうか。
ここではそういった電子端末への手書きサインを、電子サインと呼びたいと思います。
そんな電子サインを導入するとき、「できればコストをかけずに、無料で電子サインを利用したい」と考える方もいますよね。
ほとんどの電子サインサービスは有料ではありますが、とても限られた使い方であれば、無料で利用できないこともありません。下記のページでは、電子署名(電子サイン)を完全無料で利用する方法を4つ紹介しています。ぜひこちらも参考にしてください。
電子署名を完全無料で利用する方法4選
ペンタブがあればパソコンでの手書きサインは簡単だが…
「電子書類へ手書きサインをするなら、ペンタブがあれば十分では?」と感じる方がいるかもしれません。 たしかに電子書類へ手書きサインするには、ペンタブやトラックパッドさえあれば問題ありません。しかしペンタブを使って電子文書へサインしたところで、その電子サインの正当性を示すことは不可能。
この電子サインの作り方では、証拠保全力はほぼないに等しいのです。
なぜなら、電子サインを提供しているサービスは、自社で電子証明書を発行したりメール認証を行ったり、正当性を担保するための様々なシステムが組み込まれています。
自社でシステムやソフトを構築すればペンタブでの電子サインに正当性を持たせることも可能ですが、莫大な開発コストと手間がかかるため、現実的ではないでしょう。
また、WEB上にはPDF書類へ手書きサインができるツールは数多く存在していますが、これらも証拠保全としての効力は低いので注意が必要です。 やはり、効力のある電子サインをするためには、きちんとしたサービスと契約するのが最も簡単でコストがかからない方法なのです。
まとめ:意味を正しく理解し、電子サインツールを検討しよう
こちらの記事では、電子サインに関する情報を網羅的にまとめました。電子サインの基礎知識をごく簡単にまとめると、次の通りです。- 電子サインとは、電子上で本人確認をするためのあらゆる記録物や認証プロセスのこと
- 法的効力は電子サインより電子署名の方が強い
- 電子サイン=タブレットへの手書きサインとされることも多いが、より広義な意味もある
また、記事の冒頭では電子端末への手書きサインが行えるサービスのうち、主要なものを6種類ピックアップして紹介しました。 電子端末への手書きサインは基本的には有料となりますが、電子印鑑GMOサインなら月10件までは無料で利用可能なので、おすすめです。
また、手書きサインにこだわらない方は、みんなの電子署名がおすすめ。無料で機能制限のない唯一の電子サインサービスなので、こちらも併せてチェックしてみてくださいね!
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