「実印と銀行印は同じ印鑑を兼用してもいいの?」
このようにQ&Aサイトで質問する人もいるほど、実印と銀行印の使い分けは意外と知られていません。
結論から言うと、実印と銀行印に同じ印鑑を使用するのはおすすめしません。
そうは言っても、実印は使う機会も少ないし、普段使うことの多い銀行印と同じものにしておいたほうが便利でしょ?と思われる方もいるでしょう。 しかし、実印と銀行印を同じ印鑑にしていると、後々、面倒な事態に巻き込まれてしまうこともあるのです。
そこで、こちらのページでは、実印と銀行印を同じ印鑑にしない方がいい理由について解説していきます。 それでは、さっそく見ていきましょう!
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口座開設時などに必要となる銀行印。「銀行印は実印と分けた方がいいのか」「銀行印は何を使ってもいいのか」など、銀行印に関して多くの疑問をお持ちの方も多いでしょう。年間2.5万本の印鑑作成に貢献している筆者が、銀行印に関してわかりやすく解説していきます!
実印と銀行印それぞれの役割について
ではまず、なぜ実印と銀行印を同じ印鑑で作成しない方がいいのかについて理解するために、実印と銀行印、それぞれの役割について見ておきましょう。
実印は印鑑証明書の発行にも必要な重要な印鑑
実印とは、役所に登録した印鑑のことを指します。 一人につき1本しか登録することができないため、実印を捺印するということは、確実に本人が認めたことを意味します。
そのため、実印の使用場面は「不動産取引」「車の売買」「銀行融資」などのように重要なものがほとんどです。
そしてその際、実印とともに必要となるのが印鑑登録証明書(印鑑証明書)。
書類に押印された実印が、役所で登録された本人の印鑑なのか確認する書類なので、契約のとき実印と印鑑証明書はセットで要求される事がほとんどです。
また、実印を作成する際には、複製や偽造のリスクを避けるため書体に気をつけたり、規定のサイズに収まるようにするなど、様々なポイントに気をつける必要もあります。
このように、実印は個人印鑑の中で最も重要と言える印鑑です。
銀行印はあなたのお金を管理する大切な印鑑
一方、銀行印の役割はイメージできる方も多いことでしょう。
銀行印は、銀行に新しく口座を開設する際に必要となる届出印(銀行届出印)のことを指します。 ATMでのお金の出し入れが主流となった現在、実際に銀行窓口で銀行印を使用する場面は少ないかもしれません。
しかし、家賃や水道光熱費、携帯電話料金などの銀行引き落としの契約や、クレジットカード作成時の書類など、銀行・金融機関に関する様々な場面で銀行印は必要となります。
逆に、銀行印さえあれば様々な契約が結べてしまうので、悪用されるようなことでもあれば大変です。
そのため、銀行印を作成する際にも、実印と同じように書体やサイズといったいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
このように、お金に関する様々なやり取りで使用する印鑑なので、実印と役割は違いますが、銀行印も非常に重要な印鑑と言えます。
以上のように、実印と銀行印はそれぞれ別々の役割を持った大切な印鑑です。 本来であれば別々の役割を持った印鑑なので、もちろん同じ印鑑を使用しない方がいいに決まっています。
しかし、実際には実印と銀行印を同じ印鑑にしている方も多いというのが現状。 では一体、この2つの印鑑を同じにするメリットは何なのでしょうか?
別々の所に登録する印鑑を兼用するメリット
それでは、同じ印鑑で実印と銀行印を兼用するメリットとは何でしょうか?
強いて言えば、1本の印鑑で済ますことができるというところ。
実印は役所に登録する印鑑ですが、銀行印として使用している印鑑を登録することも可能です。 さらに、1本の同じ銀行印で複数の銀行・金融機関の口座を開設することもできます。
つまり、最低1本印鑑を用意しておけば、実印としても銀行印としても使用できるというわけです。
しかし、上記のような使い方はおすすめできません。理由は大きく分けて2つあります。
1つめの理由は、再登録の手続きが面倒というもの。 同じ印鑑で実印と銀行印を兼用していると、盗難などで紛失した場合、役所に実印登録を廃止しに行き、新たに別の印鑑を用意して再度実印登録しなければなりません。
さらに、銀行・金融機関に行って銀行届出印の変更届も出さなければならないのです。
2つめの理由は、1本の同じ印鑑を複数の用途に使ってしまうと、その分だけあなたの印影が流出してしまうことになり、偽造される危険性など、悪用されるリスクが高まってしまうことです。
上記の理由から、実印と銀行印は同じ印鑑を兼用しないほうがいいのです。
でも、一見すると同じ印鑑。別々に作って逆に見分けがつかなくなってしまったらどうするの?とお考えになった方もいるかもしれません。
そんなとき、印鑑を作成するときのポイントを知っていれば、実印と銀行印をしっかり区別できるように作成することができます。 それでは、簡単にご紹介していきます!
作成するサイズや書体・名前、素材で区別する
実印と銀行印を区別する要素は大きく3つ。「サイズ」「書体・名前」「素材」です。
サイズ
実際に多くの方が実印と銀行印のサイズは別々に作っています。 銀行印<実印という大きさで作るのが一般的で、女性は男性より一回り小さいサイズで作成する場合が多いです。
書体・名前
印鑑用の書体は数種類あるので書体を使い分ける方法もあります。実印や銀行印には篆書体や印相体(吉相体)が適しています。
また、名前をフルネームにするか、苗字だけ、下の名前だけにするかによっても区別できます。 女性の実印・銀行印は下の名前だけで作成するのがおすすめです。
素材
素材を使い分けることで同じサイズや書体・名前を選んでも簡単に区別することが可能。 素材ごとに特徴がありますが、見た目だけでなく「捺印性」や「耐久性」にも注意して選びましょう。
以上のような点を踏まえて、実印と銀行印は、ぜひ、別々の印鑑で登録していただければと思います。
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認印とは同じでもいいの?
ここまでで、実印と銀行印は同じ銀行印を使用しない方がいいということはお分かりいただけたかと思います。 しかし、印鑑の用途にはもう1つ「認印」という用途があります。
では、実印と認印、銀行印と認印というように同じ印鑑を使用するのは大丈夫だと思いますか? この答えを認印の役割から見ていきましょう!
認印の役割
認印は日常的によく使うはんこ。宅配便や回覧などの確認や一般的な契約書類などまで、一番良く使うはんこと言ってもいいでしょう。
しかし、認印は実印や銀行印と違って、役所での印鑑登録や銀行への届け出などの登録は必要ありません。
そのため、あなたの名前が彫られた印鑑であれば、100円ショップや文房具店で購入できる三文判も認印として使用することができるのです。
ここまで見てみて、実印や銀行印の役割と認印の役割を考えた時、認印となら同じ印鑑を使用してもいいのでしょうか?
答えは、やはり「同じ印鑑を使わない方がいい」です。理由は、前の見出しで説明したように大きく2つ。
- 印影が流出してしまうリスクが高まる
- 紛失などしてしまったとき、印鑑を廃止・登録し直す必要がある
このような理由から、実印と認印、銀行印と認印はできるだけ同じ印鑑を使わないようにしましょう。
実印と銀行印はセットで購入しよう
ここまでで、同じ印鑑を兼用せず、役割ごとに別々の印鑑を持っていた方が良いということがお分かりいただけたかと思います。 もしあなたがこれから実印と銀行印を揃えるのであれば、セットで購入するのが非常にお得です。別々に購入するよりも同じときに購入した方が、値段も安くなりますし、いざという時に、別の用途で使っている印鑑を使う恐れもなくなります。 適当な印鑑を買ってその場をしのぎ、後から改めて購入するということもなくなります。
しかし、実印と銀行印をセット購入するときに気をつけなければならないのは、安さだけを追い求めてはいけないということ。
やはり、どうしても価格に目が向いてしまいますが、同じ印鑑といえど、印鑑ショップによって仕上がりが異なります。 さらに言うと、印鑑の品質自体にも差が出てきます。
そのため、ちゃんと印鑑ショップ同士を比較してあなたが実印・銀行印を購入するのに相応しい印鑑ショップを決めましょう。
下記、「印鑑通販サイトおすすめランキング」のページでは、4つの視点からおすすめの印鑑ショップをランキング形式で紹介しています。
どれも筆者が徹底的に比較をして厳選したおすすめの印鑑ショップ。 あなたが印鑑を選ぶときに一番重要視するポイントをチェックして、ぜひずっと使いたくなる愛着が持てる印鑑セットを購入していただければと思います!
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