【割印】と【契印】の意味と押印位置の違いについて徹底解説

【割印】と【契印】の意味と押印位置の違いについて徹底解説
  • 最終更新日:2024年9月4日
【割印】と【契印】の意味と押印位置の違いについて徹底解説
「割印(わりいん)」と「契印(けいいん)」は、契約を交わす際、非常に重要となるハンコ。

これら2つの印鑑は、契約書そのものや、契約内容が正しいことを証明し、改ざんされてしまうことを防ぐ印です。

当記事では、契約書の作成時には欠かせない印鑑「割印」・「契印」について詳しく解説を行っていきます。

記事の後半では、割印や契印の購入におすすめの印鑑通販サイトも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

執筆者
樽見 章寛

樽見 章寛

印鑑は、人生に何度も購入することはありません。言うなれば、一生に一度の買い物と行っても過言ではないほど重要な買い物。そのため”長い目”で見た時どれを選んだらよいのか、この視点を大切に、優良な情報をみなさまにお届けいたします。年間1万本以上の印鑑作成に貢献。



そもそも割印や契印はどういうときに使うの?

割印と契印の使用場面

「割印」と「契印」は、契約書を交わす際、後から契約書が改竄かいざんされてしまうことがないように押印する印です。

不動産や自動車の売買、雇用契約など重要な契約や公文書を取り交わす際には、印鑑が正しく押印されているかを必ず確認します。

事務手続きのうえでは、割印と契印はまとめて「割印」と呼ばれることも。しかし、割印と契印は、それぞれ役割の異なる印鑑です。

割印と契印も実印や銀行印などと同じように役割の名称ですので、同一の印鑑を使って押印しても問題ありません。

しかしながら、押印する意味や押印する場所に違いがありますので、契約時のトラブルを防ぐためにも「割印」と「契印」それぞれの役割を正しく理解しておきましょう。


割印とは?

割印とは?

割印とは、契約を交わす際、作成した契約書の原本と写し、正本と副本などのように2つ以上の独立した文書が関連していることを示すために各文書にまたがるように押印する印鑑のこと。

多くの場合、契約を結ぶ際には、自分と相手、自社と他社とが存在するかと思います。その際、同じ契約書を2部以上作成することになるでしょう。

このとき、その契約書が「同じ時に作成された同じ契約書である」ということを証明するのが割印の役目。つまり、契約書類に割印があれば、同じ日に同じ内容で作成されたことを証明できるというわけです。

逆に、割印がなければ、自分が持っている契約書と相手が持っている契約書が同一の契約であることを示すことができません。

「後から一方的に契約内容を変更されて、大きな損失が出てしまった…」なんてことにならないためにも、割印は非常に重要な印鑑なのです。

その他の場合ですと、割印は、領収書とその控えにまたがって押す場合もありますね。

ちなみに、収入印紙へ押印する際、書類と印紙にまたがって押印をする場合も、割印だと考えがちですが、正確には「消印」になりますので、覚えておきましょう。

まとめると、割印とは2部以上存在する書類が、同一契約上であることを証明し、契約書類の一方的な改竄かいざんや複製を防ぐ役割をもつ印鑑といえます。

割印する印鑑の種類には特に規定はありませんが、基本的には書類に捺印した印鑑(契約書に実印が求められている場合は実印、認印で構わないなら認印)で行うのが一般的です。

契印とは?

契印とは

割印とひとくくりにされることもある契印ですが、実は意味が違います。では、契印とは一体どのような役割をもっているのでしょうか?

契印とは、2枚以上にわたる書類のつながりが正しいことを証明するために、書類のつなぎ目や綴じ目とじめ押す印鑑のことを指します。

割印は2部以上の書類が同一であることを証明していますが、契印は割印と違い、契約書類の内容が正しくつながっているかを証明しています。

つまり、一度交わした契約書に、後から故意に書類を追加したり、抜き取ったりというような不正を防ぐのが契印の役割です。

そのため、「割印が押印されていても、契印が正しく押印されていない契約書」には注意をはらいましょう。

まとめると、契印とは、2枚以上の書類のつながりが正しいことを証明し、契約書のページの差し替えや抜き取りなどの不正を防ぐ役割を持つ印鑑といえます。

割印同様、契印する印鑑の種類には特に規定はありませんが、こちらは認印等、実印以外の印鑑を使用しましょう。

契印は契約書の長さにより、何度も押印する可能性がございます。偽装を防止するという意味でも、契印時には実印以外の認印で押印されることをおすすめいたします。

まずこちらでは割印・契印の役割についてご説明いたしました。続いては、割印・契印の詳しい押し方について確認していきましょう!

位置を含めて、契約書への正しい押し方を知っておこう

契約書への押印の仕方

割印と契印の役割の違いについてご紹介しましたが、肝心なのは正しく押印することができるかどうか。

一度理解できれば簡単なので、割印と契印の押し方を一緒に確認していきましょう。

割印の正しい押し方

契約書への割印の押し方

割印は2部以上の書類を重ねた状態で、すべての書類に印影がまたがるように一度だけ押印します。

3部以上の書類であっても、すべての書類を重ねたときに、一つのきれいな印影が浮かび上がるように、少しずつずらして割印を押印しなければなりません。

契印の正しい押し方

契印は書類のつづられ方によって、押印の仕方が異なります。

見開きの場合はまたがって押印

契約書への契印の押し方(見開きの場合)

左右のページにまたがるように上下2箇所に押印します。

1か所ホチキス止めの場合

契約書への契印の押し方(ホチキス止めの場合)

ページを半分に谷折りし、次のページが重なる部分に押印します。

製本されている場合(袋とじ)

契約書への契印の押し方(製本されている場合)

製本テープと契約書の用紙にまたがるように、表と裏どちらも契印を押印します。製本されている場合は、見開きごとの押印は不要です。

このように、割印と契印は押印します。とはいっても、普段の書類に押すだけでも難しい印鑑。見開きや書類を重ねて押印する際、「上手く押せるか不安だ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実際、上手く押せずに印影がずれてしまい、割印・契印としての役割をなさなくなってしまったなんてケースもあります。

そんなことにならないために、続いては、割印・契印をきれいに押印するためのちょっとしたコツをご紹介いたします。

きれいに押印するための2つのポイント

綺麗に割印・契印を押印する方法

それでは、割印・契印をきれいに押すコツについてご説明いたします。

割印・契印をきれいに押印できない原因は、契約書は2枚以上で構成されていることが多いためです。厚みに差ができてしまい、きれいに押印することが難しくなっているというわけなのですね。

その点を踏まえつつ、割印・契印をきれいに押印するためのポイントを2つご紹介いたします!

  1. 押印する用紙の高さを別の用紙を使って合わせる
  2. 必ず捺印マットを使う

押印する用紙の高さを合わせ、捺印マットを使用する

2枚の書類を重ねて割印や契印を押印する場合、片方は用紙が1枚もう片方は用紙が2枚と、押印する部分の高さに違いがでます。

そこで、用紙を差し込むなどして、押印する位置の高さをそろえることで、きれいに割印や契印を押すことが可能になります。

そして、このとき、捺印用のマットを必ず使うようにしましょう。捺印マットがクッションのような役割を担うので、多少の厚みの違いなら捺印マットが解消してくれます。


まとめ:契約書に押す印鑑の違いを確認

割印と契印の違いまとめ

ここまで、割印と契印について解説してきましたが、契約書に押す印鑑の意味をご理解いただけましたでしょうか。

それでは最後に、割印と契印の違いをまとめましたのでご覧ください。

読み方 割印
(わりいん)
契印
(けいいん)
押印する
場所
  • 2部の契約書をまたがるように押印
  • ページと次ページにまたがるように押印
  • 裏表紙の製本テープに押印
押印する
意味
  • 原本と控えなど、2部以上の契約書が同一であることを示す
  • 契約書の改ざんや不正コピーを防ぐ
  • ページの前後が正しいことを示す
  • ページの抜き取りや追加など、契約書の改ざんを防ぐ
証明できること
  • お互いの契約書に相違がないこと
  • 作成された契約書に追加等がなく、内容に変更がないこと
使用する
印鑑の種類
  • 割印する書類において、押すことが求められている印鑑
  • 実印以外の印鑑(認印が望ましい)

割印も契印も、契約書の改ざんを防ぐ重要な印です。それぞれに応じて適切な印鑑の種類、押し方を知って、書類上のミスがないように気をつけましょう。

また、押印する際に必要な認印・実印をそもそも持っていないという方は購入されることをおすすめします。

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また、割印や契印と同じように契約書を作成する際に使用する印鑑が「捨印すていん」や「訂正印」。さらに法人の請求書を送る際には「社印」も必要となります。

それぞれ、使用方法や役割に違いがありますので、押し方に自信がない方はぜひ以下のページも併せてご覧ください!

捨印とは?
訂正印の基礎知識と押し方
実印、角印の違いと使い分け

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