婚姻届に印鑑はいらない?婚姻届の押印に関する様々な疑問を解説!

婚姻届に印鑑はいらない?婚姻届の押印に関する様々な疑問を解説!
  • 最終更新日:2025年5月16日
婚姻届に印鑑はいらない?婚姻届への押印に関する様々な疑問を解説!
「婚姻届に印鑑は本当に必要だろうか?」
「婚姻届に押印する印鑑は何を使えばいい?」
「印鑑を婚姻届のどこに押すの?」

人生の大きな節目である結婚。その第一歩となる婚姻届を提出する際に、このような押印に関する疑問はありませんか?

以前は、必須とされていた婚姻届への押印も2021年の法改正により、取り扱いが変わりました。

当記事では、婚姻届における印鑑の必要性や、押印する場所、注意点を詳しく説明します。大切な手続きに不備がないよう、当記事をぜひ参考にしてください。

執筆者
樽見 章寛

樽見 章寛

印鑑は、人生に何度も購入することはありません。言うなれば、一生に一度の買い物と行っても過言ではないほど重要な買い物。そのため”長い目”で見た時どれを選んだらよいのか、この視点を大切に、優良な情報をみなさまにお届けいたします。年間1万本以上の印鑑作成に貢献。



婚姻届に押印は不要?

2021年9月から、婚姻届への押印は原則として不要になりました。ただし、現在も婚姻届には押印欄が残されているため、任意で押すことが可能です。

婚姻届への押印が不要になった背景には、「デジタル社会形成整備法」が国会で可決されたことがあります。この法案が可決されたことにより、地方公共団体の書類手続きが見直され、婚姻届への押印は任意となり、義務ではなくなりました。

どれくらいの人が婚姻届に押印しているの?

どれくらいの人が押印している?画像

実際にどのくらいの人が婚姻届に押印してるのか、気になるのではないでしょうか。

結論として、今でも多くの人が婚姻届に押印しています。たとえば、2022年の調査では、墨田区において婚姻届を提出した9割の人が押印していました。

今でも、婚姻届に押印する理由としては、「できるかぎりきれいに押印して、婚姻届を完成させたかった」「婚姻届の押印が任意だと知らなかった」「伝統的に重要な文書には押印したい」などがあげられていました。
引用:2022年6月 NHKニュースWeb「婚姻届 はんこは不要 証人は必要 なぜ?

婚姻届に適した印鑑はどれ?

本来、婚姻届などの公的文書に、印鑑を押す理由は、本人の意志で作成された文書だと証明するためです。

そのため、婚姻届に押印する印鑑は、本人が押したという証拠を残すために、偽造されにくく、印影が変化しないものを使用しましょう。

婚姻届の押印に適した印鑑は、はんこ面がゴムで作られていない印鑑です。

なぜなら、ゴム製で作られた印鑑は、性質や使用される塗料によって、印影が変化してしまうおそれがあるため、婚姻届などの長期保存する公的文書にはふさわしくありません。

下記に、ゴム製の印鑑が婚姻届に適していない理由をまとめました。

ゴム製の印鑑が婚姻届に適していない理由

・経年劣化や力加減で印影が変化する
・油に弱いため、朱肉を使用できない
・基本的に水性のインクが使われている

ゴム製の印鑑は、力加減や経年劣化により印影が変わり婚姻届には不向きです。

また、ゴムは油に弱い性質があるため、はんこ面がゴムで作られている印鑑には、基本的に水性のインクが使われています。

水性のインクは紫外線や水に弱く、にじみができてしまい、印影が変化するおそれがあるため、婚姻届に使用しないようにしましょう。

また、婚姻届への押印には朱肉を使いましょう。朱肉には油性顔料のみが使用されており、光や水に強い特徴があります。

朱肉で押印すると、印影が長期間変化しないため、婚姻届などの公的文書に適しています。

したがって、婚姻届にはゴム以外の素材で作られた印鑑を使用し、朱肉で押しましょう。

次に、婚姻届に適した印鑑の種類と使用できるはんこ面の刻印内容をまとめました。

婚姻届に適した印鑑

実印・銀行印・認印

使用できる文字

名字のみ・フルネーム・名前のみ

実印、銀行印、認印のいずれかを婚姻届で使用する際に、気をつけてほしいのが認印です。認印の中でも、ハンコ面がゴムでできていたり、スタンプ台インクで押す印鑑は注意が必要です。

それでは、それぞれの印鑑について解説します。

実印

実印とは、住民票が記録されている市区町村の役所で登録手続きを済ませた、法的な効力を持つ印鑑を指します。実印は、1人1つしか作ることができないため、個人を証明する印鑑の中で、最も強い力を持っています。

したがって、婚姻届に実印で押印することは、間違いなく本人が押した証明になり、大抵の場合は役所で受理されます。

ただし、実印専用の印鑑は存在せず、登録されればどんな印鑑でも実印になるので、注意が必要です。単に、大量生産された印鑑を登録してしまうと、印影が同じものが多く、悪用される可能性があるため気をつけましょう。

銀行印

銀行印とは、銀行や信用金庫といった金融機関で届出を行い、受理された印鑑を指します。銀行印は、自分の口座を管理するための本人確認として使用される大切なものです。

そのため、銀行印として登録されるには、印影が偽造されにくく、印影が長期間変化しないものでなければなりません。したがって、銀行印は婚姻届に適した印鑑です。

認印

認印とは、特定の機関に登録してない印鑑を指します。そのため、印鑑の素材や大きさに関わらず、登録されていないものはすべて認印です。ゴム製の印鑑やシャチハタも認印に含まれるので、婚姻届に認印を使用する場合は注意しましょう。

婚姻届に適していない印鑑はどれ?

次に、婚姻届に適していない印鑑の種類を解説します。婚姻届に押印する際、避けるべき印鑑はシャチハタとゴム印です。

婚姻届への押印は任意となっているため、押印がなくても基本的には受理されます。しかし、シャチハタとゴム印は、公的文書である婚姻届には適していません。なぜなら、どちらもハンコ面がゴムでできているため、長期保存すると印影が変化してしまう可能性があるためです。

したがって、シャチハタとゴム印は婚姻届に使用しないことをおすすめします。

シャチハタ

シャチハタ画像

シャチハタとは、本体内部にインクが入っているインク浸透印鑑のことを指します。受け取りのサインなどでよく使われる印鑑です。

ゴム印

ゴム印画像

ハンコ面がゴムでできた印鑑のことを指します。日付印や住所印などで使用されることが多いです。

婚姻届にこだわりの印鑑を使用したい方へおすすめの印鑑通販サイト

まず、婚姻届に適した印鑑の特徴をおさらいしましょう。婚姻届に適した印鑑は、はんこ面がゴム製以外で作られた印鑑です。そのため、上記の条件を満たしていれば、自分だけのこだわりの印鑑で押すこともできます。

本章では、大切な婚姻届に特別な印鑑を使いたい方や、人生の節目だから縁起がいいものを使いたい方におすすめの印鑑通販サイトを紹介します。ぜひ、自分にあった印鑑を作成してみてください。

婚姻届への押印におすすめの印鑑通販サイト

平安堂|豊富な印材があり品質は最高級

平安堂

名字が変わり、最後の旧姓での押印だからこそ、品質が高くて上質な印鑑を使いたい方には、平安堂がおすすめです。

平安堂には印章彫刻技能士の国家検定1級を持つ職人が在籍しており、通常価格+9900円(税込)で手彫りの印鑑に変更可能。印鑑の製作工程をすべて手作業で行うことから、味わいのある上質な印影と、偽造リスクの低さが魅力です。

さらに、平安堂のホームページでは印材数日本一と紹介されているとおり、象牙などの希少性の高い素材も多数取り揃えています。そのため、数多くの種類から自分好みの印鑑を作成することが可能です。豊富なラインナップから、クオリティの高い印鑑を婚姻届に使用したい方は、平安堂で作成しましょう。

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はんこプレミアム|高品質で低価格が魅力

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はんこプレミアムは、高品質で安く購入したい方におすすめの印鑑通販サイトです。

はんこプレミアムは、印材の卸を行っているため、厳選された高品質の印鑑を安く提供しています。そのため、縁起物として使われている宝石印鑑が他の印鑑通販サイトと比べると約半額の値段で購入が可能です。

宝石印鑑にはローズクオーツの印鑑があります。ローズクオーツは「真実の愛」を意味する石で婚姻届におすすめの素材です。高品質、低価格で思いの込めた印鑑を婚姻届に使用したい方は、はんこプレミアムで作成しましょう。

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Sirusi|おしゃれデザインが人気

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Sirusiは自分らしさを表現できる唯一無二のデザイン印鑑で押印したい方におすすめです。

Sirusiでは「印グラフィー」というオリジナルの書体で印鑑を作成できます。また、デザイナーと相談しながら、自分好みの印影に仕上げることが可能です。さらに、デザインの校正は3回まで無料でできるので、印影のデザインにとことんこだわれます。

ここまでデザインにこだわれる印鑑通販サイトは他にはないので、他人とは一味違った自分だけの印鑑を婚姻届に使いたい方は、Sirusiで作成しましょう。

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sinju|見た目が可愛いセット印鑑

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sinjuは見た目も可愛く、夫婦おそろいの印鑑を使いたい方におすすめな印鑑通販サイトです。

sinjuでは、出産や結婚といった人生の節目に送るための印鑑を作成しています。例えば、「おそろいんかん」シリーズには、結婚式で使う袴と白無垢をイメージしたデザインの印鑑があります。

婚姻届に使う印鑑のデザインにも結婚のイメージを取り入れたい方は、sinjuで作成しましょう。

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婚姻届に押す場所はどこ?

婚姻届画像
都庁総合ホームページよりダウンロードした婚姻届を使用

婚姻届に押印する箇所は以下の4つです。

  1. 届出人署名押印欄
  2. 証人署名押印欄
  3. 訂正欄
  4. 捨印欄

それでは、一つずつ解説していきます。

1.届出人署名押印欄

届出人押印箇所画像

氏名欄は旧姓で記入し、「印」と書いてある場所に旧姓の印鑑を押印しましょう。ただし、旧姓のフルネームや下の名前のみの印鑑でも問題ありません。

2.証人署名押印欄

証人押印箇所画像

証人として頼んだ方に名前を記入してもらい、「印」と書いてある場所に印鑑を押してもらいましょう。証人の押印欄も任意となっているため、押印は必須ではありません。

3.訂正印欄

訂正押印欄

訂正印は届出人署名で使用した印鑑を使っても問題ありません。そのため、訂正印の用意は不要です。また、訂正欄の押印も任意となっており、必須ではありません。

訂正があった場合、間違った文言に二重線を引き、余白部分に正しい記載をしましょう。あらかじめ、訂正欄が設けられている婚姻届もあります。訂正欄に何字訂正したかを記入し、印鑑を押しましょう。

訂正欄がない婚姻届の場合は、二重線を引き、余白部分に正しい記載をするだけで、押印する必要はありません。

4.捨印(すていん)欄

捨印箇所画像

捨印を押しておくと、役所の方が提出後のミスを修正してくれます。可能ならば、証人として頼んだ方からも捨印を押してもらうことをおすすめします。

捨印は、捨印欄がある婚姻届には「印」と書かれている場所に押し、ない場合は余白に「※捨印」と記載しその下に押印しましょう。捨印で使用する印鑑は、届出人項目欄と同じもので問題ありません。

婚姻届に押印するときの注意点

婚姻届の押印は一見簡単そうに思えますが、意外な落とし穴もあります。ここでは、押印するときに知っておくべき点を紹介します。

旧姓の印鑑を使おう

婚姻届に記載する名前は旧姓で書きます。そのため、旧姓の印鑑を使用しましょう。もちろん、旧姓のフルネームで作られた印鑑や名前だけの印鑑でも問題ありません。

同じ名字のときは違う印鑑を使おう

同じ名字の二人が婚約届を提出する場合や、証人を両親や友人の夫婦に頼む場合は注意が必要です。同じ名字の印鑑で押印するときは、押印欄にはそれぞれ大きさや陰影の異なる印鑑を使いましょう。

1つの印鑑を使い回すと、記載した本人が押印したと証明できないため受理されないこともあります。

印鑑をキレイに押す方法

ここまで、婚姻届に適した印鑑や押印するときの注意点を解説しました。しかし、印鑑をキレイに押すことは難しく、婚姻届の押印がうまくできない場合もあります。印鑑をキレイに押すコツをおさえて、納得のいく婚姻届を提出しましょう。

準備するもの⋯婚姻届に使う印鑑、朱肉、捺印マット(なければチラシを4つおりにしたものなど裏写りしても構わない厚手のものを用意してください)

  • コツ1.使う印鑑が欠けていないか、ハンコ面が平面か確認
  • この2つの条件に当てはまっていないと、かすれの原因となります。そのため、婚姻届に押印したい方は、新しい印鑑を購入しましょう。

    • コツ2.印鑑の上下を確認
    • 印鑑アタリ画像
      印鑑によっては、上の写真のように、「アタリ」と呼ばれる突起や溝があり、はんこ面の上部に位置しています。「アタリ」の突起や溝が上になるように持つことで、正しい印影の向きで押印が可能です。印鑑の上下がわからないまま押してしまうと、印影の傾きにつながるため、注意しましょう。

      • コツ3.印鑑に朱肉はつけすぎない
      • 印鑑に朱肉を優しく2、3回ほどつけてください。このとき、力を入れすぎると溝に朱肉が溜まってしまい、にじみの原因になります。力を入れずに軽く、均一に朱肉をつけることを意識しましょう。

        • コツ4.「の」の字を描くように押印
        • 印鑑を押すときは、力を込めればいいわけではなく、「の」の字を描くように押します。しかし、ポイントをおさえていても、押印に慣れておかないとキレイに押せません。婚姻届に押印する前に何度も練習しておきましょう。

          押印で失敗してしまったときの訂正方法

          押印ミス画像
          本章では、上の写真のように押印ミスした場合の訂正方法を解説します。原則、押印ミスした場合でも、修正液や修正ペンは使用できません。婚姻届に押印ミスをしてしまった場合の正しい訂正方法は、間違えた箇所に二重線(=訂正線)を引くことです。その後、近くの余白部分に印鑑を再度、押印します。

          婚約してからも必要になる印鑑

          近年、行政手続きなどにおいて印鑑の使用を減らす「脱印鑑」の流れが進んでいます。しかし、印鑑が必要とされる場面は少なくありません。特に「実印」は、住宅ローンの契約や車の購入、遺産相続などの大きな取引や手続きにおいては、今でも必須です。そのため、実印は婚約や結婚という人生の節目のタイミングで作っておくことをおすすめします。

          当サイトでは、実印の具体的な使用場面と重要性についても詳しく解説していますので、興味のある方は次に紹介する記事をご覧ください。

          実印はいつ使う?
          使う場面や必要な理由を具体的に紹介」

          まとめ

          当記事では、婚姻届への押印に関する疑問点について解説しました。しかし、婚姻届の押印について情報が多く、少し分かりづらかった方もいらしゃることでしょう。

          そこで、特に押さえてほしいポイント4つをまとめました。婚姻届に押印する時に迷わないよう、ぜひスクリーンショットで画像を保存してご活用ください。

          【婚姻届への押印に関する押さえてほしいポイントは4つ!】
          1.押印は原則任意
          ・婚姻届の押印は、届出人と保証人の欄、両方とも必須ではなく、基本的に任意
          ・任意のため、届出人片方の押印だけでも大丈夫

          2.使用する印鑑はゴム製以外で、朱肉を使おう
          推奨
          実印、銀行印、認印(ゴム製以外のもの)
          非推奨
          ・シャチハタ、ゴム印

          3.押印する場所
          届出人署名押印欄⋯夫・妻がそれぞれ名前の横に旧姓の印鑑で押印
          証人署名押印欄⋯証人の名前の横に、証人の名前が入った印鑑で押印
          訂正印欄⋯夫・妻のそれぞれの印鑑で押印
          捨て印欄⋯ミスがないと思っても万が一に備えて欄外に押印

          4.押印ミス
          ・ 押し間違えた箇所に二重線を引いて訂正、近くの余白に再度押印

          婚姻届の押印は基本的に任意とはいえ、大切な書類だからこそ丁寧に対応したいものです。大切な門出を気持ちよく迎えるためにも、上記の4つのポイントを押さえて、スムーズに押印し、婚姻届を提出しましょう。